ネタバレしますのでご注意を。
孔明は蛮都に向かってさらに兵を進めた。
朶思王は蜀軍に向かって毒やの雨を降らせる。
次々と毒矢にあたって倒れる兵士たちを見てさすがの趙雲も引き揚げるしかなかった。
孔明はその戦果を聞き数日軍を動かさなかった。天候の変化を待っていたのである。
孔明はいかなる場合でも自然の力を味方にするのだった。
それから十日経ち酷い砂埃を巻き上げる強風となった。
明朝各兵士は一人一着の衣服を持参するように伝えられた。
怠る者は打ち首とした。
孔明は皆の前で「持参の衣服に土を詰め土嚢とせよ」と命じた。「その土嚢を持って三江城に攻め寄せ城壁まで土嚢を積み上げよ」
一番最初に河まで辿りついた者には莫大な恩賞を取らせる。また土嚢の道を駆け上り一番乗りした者を京妙の第一とする。
皆は争って土嚢を背負い三江城に迫った。朶思王の兵士たちは毒矢を射かけたが二十万の兵である。矢で射きれるものではなかった。土嚢は河を埋め、城壁にまで積み上げられた。
こうなると数の劣る城兵は防ぎきれなかった。
城兵は右往左往し、朶思王は矢にあたってあっけなく死んだ。
孟獲のもとへ三江城落城と朶思王討死の報が入った。
「そんなに簡単に落とされるとは」
各酋長たちを集めて協議したが口々に騒ぐだけで何の解決案も出てはこなかった。
その時高らかに笑うものがいた。
孟獲の妻!美女!そして強そう!
とほほ、そのとおり。
孟獲は「口が過ぎるぞ」と怒鳴るが「いいえ過ぎませぬ。あなたもあなたです」とまったく動じない。
「蜀軍にここまで押し寄せられおろおろして会議もまとめられぬ。それで南蛮王と言えるのですか」と逆に怒鳴りつけられるひええ。
「今度の相手は今までとは違うんじゃ。蜀軍には孔明というやつがついてるのじゃ」と情けない言い訳。
祝融夫人は「私に一軍をお貸しなさい。蜀軍を蹴散らしてあげます」と言い切った。
なんなんこれw
こうして祝融夫人が先頭に立ち蜀軍と戦うこととなった。
画像が増える。どうしてもお見せするしかないものな。
かっこいいいいい!
かっこわるいいいい
(史実は立派な人のようです)
が祝融夫人はさっと身をひるがえして逃げ始めた。張嶷が追いかけると
さらに馬忠が相手となるが同じように短剣を投げられ馬の眉間に命中して馬忠も捕らえられてしまう。
孟獲よ。気にしない男なのだ。
しかしここで祝融夫人が「首を打って城門にさらしましょう」と言うのには慌てて反対した。「わしは五度まで放たれた。ここでふたりを殺したら孔明になんと度量の小さな男よ、と笑われるわ」と二人を牢に入れることとなった。
将は「すでに二人は殺されたのでは」と心配するが孔明は「孟獲は自尊心が強い。度量を見せるためそのようなことはすまい」と答えた。
それよりも祝融夫人が気になる。
炎天下の光線は毎日続いた。祝融夫人の活躍は見事で蜀兵を槍で突き伏せた。
趙雲が決戦を挑むもかなわぬとなると短剣を飛ばしさっと逃げ出してしまう。
「ぬうう。またしても取り逃がしたか」
「あの女は気が強い。からかって頭にこさせ陣の中に深入りさせては」
翌日蜀の兵士たちは登場した祝融夫人に「ダチョウ夫人が現れた」と騒ぎ立てる。
怒る祝融夫人に「俺たちもダチョウの真似をして逃げろ」と言いながら逃げ出していった。
きーっと怒る祝融夫人は蜀兵たちを追いかけてきた。と前方に魏延が待っている。
うわ魏延相手にすごい。
そして祝融夫人短剣を投げて逃げ出す。と蜀兵たちがまたもや「ダチョウ夫人がまた逃げ出した」と騒ぎ立てる。
許せませぬと戻ってきた。
そこへ登場したのが趙雲。打ち合った後祝融夫人は短剣を投げて逃げ出した。
その先に魏延が待ち伏せ再び身をひるがえして逃走するところへ蜀兵たちが縄を張って馬をつまずかせた。
祝融夫人は投げ出され捕らえられた。
孔明は「縄をお解きしろ」と命じる。
そのうえで孔明は切々と祝融に王化を説いた。「王化とは王者の徳による感化じゃ」
領民の難儀も考えず掠奪や侵略を繰り返し自分だけの栄華を楽しむものではない。孟獲が南蛮王としてそれがいかに大切なことかをわかってくれれば我らはすぐにでも引き揚げるつもりじゃ、と。
しかし祝融は「私たちは私たちのやり方で好きなように生きるのよ」と言い返す。
「それのどこがいけないんだい」
尚も孔明は王たるものの務めを諭したが「よそ者のお説教などまっぴらだよ」と祝融は座り込み「好きなようにおし」
これには孔明も参ってしまった。
むろん孟獲は妻が捕らえられたことで困惑しておりこの申し出をすぐさま受けた。
仲良しだな。
これからのことを話し合っているところへ祝融の弟帯来が帰ってきた。
木鹿王は孟獲の申し入れを承知して数日のうちに到着するというのだ。
数日後
象さん!
猛獣千頭も引き連れていた。
それから三日三晩孟獲は木鹿王の機嫌を取って歓迎した。
檻の中の猛獣が凄まじい唸り声をあげている。
戦の前に餌は与えず獰猛にしておくという。明日にも出陣して蜀軍に一泡ふかすと意気込んだ。
翌日木鹿王は猛獣たちを引き連れ出陣した。
趙雲のもとに「おかしな軍団が現れた」との報が入る。
が指をくわえているわけにもいくまいと出陣を号令した。
その様子を見た木鹿王は自ら銅鑼を叩いて号令をかけた。
あっという間に猛獣たちの檻が開けられた。
『三国志』ってこういうのだっけ。
蜀軍兵士たちは猛獣たちに襲われた。趙雲も猛獣たちを追い払うしかない。
「これじゃ戦にならん」と趙雲は引き揚げを命じた。
これを見た木鹿王は象で追いかけ木鹿兵も蜀兵を襲い始める。
象が蜀兵を押しつぶし飢えた猛獣が蜀兵を引きちぎり食べ始めた。
象の力で陣が破壊されていく。
趙雲・魏延はやむなく陣を捨てて退却を命じた。が木鹿軍は執拗に追いかけてきた。逃げ遅れた兵士たちはことごとく殺され無数の死者を出してしまった。
孔明は運ばせてきた木箱の中の物を取り出させた。
なんぞこれ~『三国志』ってこういう作品だったっけ。ロボットものだったっけ。
聞くよねふつう。
趙雲ぜったいわかってないw
からくり木獣~木だ。
木で作ってあるんだ。
ところで孔明には黄夫人(黄月英)という妻がいて非常に理知的で料理ができる木偶人形を作ったり孔明が用いた木牛流馬を作ったのではないかとされていますがこれもその黄夫人の作ではないのでしょうか。
とりあえず良いお返事する魏延。ぜったいなんなのかわかってないw
さて孟獲・祝融・木鹿王は祝杯を挙げていた。と「蜀軍が総攻撃を開始しました」
見ると蜀軍が迫ってきている。
木鹿王は「こしゃくな」と走り出した。
木鹿王はむろん象にまたがり檻の中の猛獣を出した。
ここで孔明「よし木獣を出せ」
ガラガラw
「なんだあれは」となる木鹿王および木鹿兵。
あちらから猛獣こちらから木獣。
あちち。
猛獣たちは逃げ回った。
関索は象にまたがる木鹿王に対峙した。
関索の槍が木鹿王の胸元をついた。
落ちる木鹿王。それを見た木鹿兵はどよめいた。
「それっかかれ」孔明の号令に蜀軍は勢いづき怒涛のように襲い掛かった。
蛮兵は右往左往して逃げ出す。
ついに蛮都の城は落ちた。
孔明が「これではもう戦えまい。潔く降伏するか」と尋ねる。が、三人は黙ったままだった。「そうか。まだその気は起こらぬか」
「ならば自分自身が納得するまで戦え」
孟獲・孟優・祝融夫人は這う這うの体で蛮都を逃げ出した。だが今は城も兵もすべてうしなったのである。
まだ続く!
いやあすごかった三国志がロボットものになるとは思わなかった。火薬もすでに発明されている。