なかなかうつけな信長スタイル。お供は犬千代。後の前田利家。いつも一緒。
読んでいくとますます『三国志』との共通点があってふむうと思ってしまいます。
織田信長はいかにも曹操なのですが母親との関係よりも父親に愛されたのが強調されているのも同じ。
家康はいかにも玄徳でこちらは父親からの愛情が極端にないのに引き換え母親の愛情を受けているのも似てる。ずっと城がなくて放浪してる感じだとか一時期曹操と玄徳が仲間だったように信長と家康も同盟している関係なのとか奇妙に共通点があるのですね。曹操と信長が革新派であるのと玄徳と家康が保守的なのも。
まあ前回も書いたけど孫権がいないから『三国志』にはならないだろうが。秀吉は孫権じゃないだろうしなあ。
別に似ているからどうだというわけではないのですが。とはいえ作者の横山光輝氏としては『三国志』とこの『徳川家康』の執筆時期は重なっているので意識されたこともあるのではないでしょうか。
そして曹操が魅力的なようにやはり信長の魅力は爆発的です。
その信長の師だった爺
父親の葬式で焼香の灰を位牌に投げつけるという奇異な行動を取った信長に対して諫状を書いて切腹をする。
これに対して信長は
可愛いw
ここは馬超ですな。
そして
竹千代の剣の師匠が趙雲だった。こんなことばかり言ってるといかん。
趙雲は確かに玄徳に惚れてましたよな。(だからいかんって)
この後竹千代は初恋の女性であるこの亀姫と初体験をする。
のだが、さらにその直後ふたりに嫉妬した鶴姫(後の築山殿)と二度目の経験をする。
これは玄徳にはなかったねえ。
そして竹千代の初体験の物語の後、岡崎城の者たちがいかに困窮しているかの話が続く。
さて十四歳となった竹千代は元服し元信となる。先日関係を持った鶴姫との挙式も決まり人々の態度も改まる。
鶴姫は今川義元の姪なのであった。なので松平家としては大変な名誉でもあるのだが鶴姫は今川義元の息子ともすでにできているというややこしい女性でもあったのです。
横山先生のこういう働くおじさんたちの絵がとても好き。
なんという上手さか。
竹千代改め元信。横山先生は男の子も良い。
ミニスカートはやめてりゅうとした武家姿の信長かっこいいです。藤吉郎にみそめられ勝手にご主人にされてしまう。
この時、信長は最愛の濃姫に子ができないので側室探しに回っているところ。
側室探しも手際が良く清々しい。
この頭身で描いてかっこよく見えるのが横山流ですなあ。
肉厚に感じられるのも魅力。
さて岡崎衆の何とも健気にも惨めな話である。
元信に姫君誕生ということで岡崎への墓参が許された(どういうことよ)
家臣たちは胸がときめいた。この若き主君のための十年間の苦労。
そして元信は義元の命令で名前を元康と改める。元信の信が信長の信と同じなのを嫌がったのだ。
さらに元信には二人目の子どもが生まれた。男子である。元康は自分の幼名と同じ竹千代と名付けた。
信長は毎朝三里(十二キロメートル)以上を駆けることが日課になっていた。(馬でね)
供は前田犬千代改め前田又左衛門利家。
良い感じである。
ここへ藤吉郎が現れ正式に(?)信長の足軽となる。
信長と波太郎という図式も良い。
こうして松平元康が出陣する日が近づいてくる。
信長は波太郎はどう出るか。