ガエル記

散策

「なつぞら」で語られた母親の描き方

昨日NHK朝ドラ「なつぞら」は牛若丸の母「常盤御前」のキャラデザインを巡る話でした。

ライバル的な麻子先輩は気が強く冷酷な感じがする常盤を描き、なつは真逆に温和な微笑みの母親像を描いた。両方の良さを感じた仲氏はふたりの特徴を合わせた常盤御前をデザインする、というものでした。

 

私はこのエピソードとても気になるものでした。

日本の(世界の、と言ってもいいかもしれないのですが)物語のキャラ設定で「父親」というのはかなり強烈な個性を持っています。

例えばアニメなら(古い人間ですから思いつくキャラも古いですが)「父親」と言うと必ず出てくる星一徹バカボンのパパ、目玉のオヤジ。それに比べ母親のキャラはなんとなく個性が乏しく一般的なイメージになてしまう。

愛情深く優しいかちょっと怒りんぼで怖いけどやっぱり子供を深く愛しているからこそ、というような。

アニメで考えようとしたら(やはり古いところで)サリーちゃんのママ、バカボンのママ、のび太君のママ、とかでしょうか。或いは自分を犠牲にしたキャシャーンのママ、それこそ優しさあふれる一休さんの母上、みなしごハッチのママ、とかでしょうか。

 

ドラマ「なつぞら」で仲氏は「母親というのは子供が願う優しい存在であってほしいけど母親の別の面、その人の個性も考えなければならないよね」ということを言っていてさすがに現在のドラマだと思います。

どうしても物語の中の母親のキャラクター設定は「母の愛」という主人公の願望であるイメージだけがあってその人の怒りや苦しみや悲しみ、嫌悪や欠点などは描かれずにきてしまったように思えていました。

私は女性として「なぜ父親は面白いのに母親というのはつまらないんだろう」と子供時代から謎でもあり、不満でもありました。

例えば「アンデルセン物語」の(これはアンデルセンのせいですけど)母親と言うのは子供のために目が見えなくなり薔薇の棘を抱くような苦痛を味わうものだ、という話などトラウマとして今でも怖ろしいイメージがぬぐいされません。

 

私が理想とするのはアニメじゃありませんが「肝っ玉母さん」というイメージです。イメージというのはあのドラマ自体を覚えているわけではないのでそう言うしかないのですが大らかで怒る時は怒るけどあんまり気にしない、という女性への憧れです。

でもアニメではあまりそういう母親像は出てこなかった気がいます。

 

あまりにも想像だけで考えていたので検索をしてみたら現在のアニメ父親・母親像はまったく違っていました。当然と言えば当然ですね。

いいろいろな人気投票がありますが大体において今現在の人気父母は「しんちゃん」のパパママでした!

なるほど!

これなら私も共感できます。

確かに良いパパママですね。

案外「サザエさん」の波平・フネのおふたりも入っているのがおかしいですが、これは人気アニメゆえの評価でしょう。

 

ところで私が好きなママキャラはアニメではなくマンガでですが、柴田亜美カミヨミ」の日明蘭です。

正直、異常な母親ですが、父親キャラの異常性が愛されるのなら母親キャラもそうあってしかるべきでしょう。

とにかくかっこいいです。

 

現代の人気母親キャラは昔のイメージはまったくないことを知ってとても喜ばしく思う年配者でありました。