観た人は多くの方が同じ感想を抱いてしまうでしょう。タイトルだけを見ると変な映画にしか思えませんがこのDVD画像はなかなかかっこいいですし内容はかなりリアルな描写の本格派作品です。
共産圏は女性も軍人になるというイメージがありましたがこれはまだロシアの時代なので当たり前ではないのでしょうね。
以下ネタバレしますのでご注意を。
愛する人を戦争で失った女性たちがじっとしておれずに立ち上がり自ら兵士になることを志願していきます。
ここで登場する女性軍の指揮を執ったマリア・ボチカリョーワは実際存在した女性軍人なのです。最初は厳しい冷徹な女軍人かと思いきや実は女性兵士たちを我が娘のように思いやる熱い心を持った人とわかっていきます。
真剣に祖国のために戦おうとする女性兵士たちを訓練し見守っていくのです。
がここには超能力的な女性は登場しません。やはり男性の腕力には負けてしまう女性たちがそれでも懸命に戦おうとするひたむきさを描いていくのです。
しかしこれを観ればやはり戦争はあってはいけない、とよりいっそう思ってしまうだけですね。
女性兵士たちが悲しいだけでなく男性兵士たちはもっとこうした状況に置かれれば異常になっていくだけなのです。戦場ではそうしたおかしくなっていく兵士たちを暴力で戦闘へと駆り立てていくだけでしかありません。
この映画にはかっこいい人がいない。
男性も女性も戦争の中で悲しく虚しい存在になっていく様をリアルに表現したのが本作の凄さでした。