「小6ホームクラス」1学期号旺文社1970年4月・非売品
横山光輝の描く少年の魅力よ。
表紙の主人公少年だけでも充分すぎるほどなのだが中へ入るともっと凄い少年がいます。
ネタバレしますのでご注意を。
爽快な気分で登山をしていたのだが午後から酷い霧が立ち込める。ふたりは立派な洋館を見つけそこで一休みさせてもらおうと行くのだが。
最初優しそうな女性が出てきて「それはお困りでしょう。でも息子がなんと言いますか」と言ってしばらく待たされる。やっと中に通されると今度は父親らしき男性から「決して息子に逆らわないでください」と忠告される。
よほど怖い男がいるのかと思ったら部屋には可愛らしい5歳くらいの男の子がいるだけだった。
その後怪しげな男たちが突然家に入ってきて皆を脅す。男たちは逃げてきた強盗だった。男たちは男の子が遊んでいたラジオを取り上げ壊してしまう。
その上思うように逃げられないことで苛立って仲間割れを始めたのだが家の主人夫妻が恐れているのは強盗たちではなく息子の方だった。
可愛らしい男の子は不思議な超能力を持っていて強盗たちの心を操り互いを殺し合いさせてしまったのだ。
これを女の子ではなく男の子にしてしまうのが横山光輝。
(いやふつう女の子にしないか?)
バビル二世しかり哪吒たちしかり超能力を持つ少年というのが好きなんだろうなあ。
そしてたまらない魅力を感じさせる。
「名作劇画 走れメロス」原作:太宰治「週刊言論」潮出版社1970年8月28日号
うむ。わかってはいたが「走れメロス」は横山光輝魂が入ってる。
正義のために命懸けで戦い、友はその友ために命を捧げ、命を捧げてくれた友のために走り抜く。
いや、王が萌え萌えになってるのが解る。この後薄い本描きましたね王。
「まんが浪人」「別冊少年ジャンプ」集英社1974年7月号
多くの人が「この話が読みたくて買った」と書かれておられるようですが私もそんなところです。しかし表紙の横山先生、背が高そうですね。高校卒業後なので18さいの姿。
別冊少年ジャンプ掲載なのか。
これもみなもと太郎氏の解説がおもしろい。
氏が言われるには「たいてい漫画家の自伝というのは熱いものだ。漫画家になりたい!漫画の星をつかみたい!という心情が吐露されるものです」
確かにこれまで読んできたこうした漫画家がいかにして漫画家になったかの作品は若者のマンガへの憧れ情熱、自分の思いをどうしたら作品にできるのか、○○先生のように描くためにはどうしたらいいのか、という苦悶に満ち満ちていました。
それがために壊れた友情の物語もありましたね。
それがなんとなく親の勧めで銀行に就職してもつまらなく辞めてぐだぐだしながらマンガを描いて幾つか仕事を転々として映画観てその合間に描いたマンガが認められて上京しました。どうやら漫画家は性に合ってるようです、って。
温度が低い!
なんなんだろう横山光輝のこの冷静さは。
すごく共感できるw
いいねえ。