ガエル記

散策

『横山光輝短編コレクション』Vol.4「闇の顔」

これは先日江戸川乱歩原作『白髪鬼』に同時収録されていた作品(すばらしいカップリング)ですでに記事にしましたが、横山作品の中でも特に語りたくなる内容なのでもう一度ここに書いてみようと思います。

 

 

ネタバレしますので注意を。

 

 

以前も書いたけど江戸川乱歩原作を作画した『白髪鬼』自体素晴らしい作品だった。美しいルリ子を間にしたふたりの美青年の愛憎劇といういかにも乱歩特色の強い物語をマンガ作品に落とし込まれていてもともと乱歩好きな私にとってこの上なく満足いくものとなっていた。

ところが横山氏はその一年前に本作「闇の顔」を描いているのだ。こちらは明らかに『白髪鬼』を下敷きにしたオリジナル作品といえる。

なんとも不思議な経緯ではある。

 

ところで昨日の『偏愛』では年配の家政婦とその家のお嬢様という女性同士の過多な愛情という題材が描かれていたのだけど本作では弟の兄への強い思慕が描かれる。

作品としては原作を踏襲した『白髪鬼』のほうが起伏に富んで面白いけどやはり『闇の顔』のほうが横山光輝味が濃厚に味わえるのだ。

 

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上のリンク先にひらさんから見せていただいた本作のもともとのカラーページが見られる。横山先生の意気込みが感じられる。