キックボクシングの選手の物語。
何故キックボクシングなんだろう。
ネタバレしますのでご注意を。
多胡原健児はキックボクシングクラブに入って一か月目で会長の目に留まり将来を嘱望される。
一気にスター街道を走っていく姿を恋人の由美は寂しくも見守っていた。
ところがチャンピオンになった多胡原は近づいてきた美女梅原悦子との情事にはまりこんで由美を忘れてしまう。
得意の絶頂にいた多胡原はある日会長に次の試合で新人に負けて欲しいと頼まれる。「マスコミをにぎわすスターを我々は作り出さねばならん」
多胡原自身もまた「作られたスター」にすぎなかったのだ。
会長の指示に従わなかった多胡原は以前のチャンピオンと再戦をする。
が、この試合では多胡原は完全に打ちのめされてしまうのだった。
主人公の名前が「多胡原」というのは元ボクサーで俳優になった「たこ八郎」氏からなのかな。とはいえたこさんは凄いボクサーだったので多胡原とは真逆なんじゃないかなと思うけど。
チャンピオンになって思い上がった嫌な男を描かねばならないのだけど横山氏が描くとそこまで嫌な奴になってない気がする。
というか「表紙の叩きのめされた男」を描きたいがための作品だったのではないか。
ボロボロになった男、が好きすぎる横山氏。
というか横山先生が描くボロボロの男が好きだ。(私が)