ガエル記

散策

『ケルン市警オド』青池保子 2

本作第一巻絶賛したのですが第二巻は如何に、と不安もあったのですがすみません。

一巻以上に面白かったです。御見それしました。

青池保子とんでもなかったです。

 

ネタバレします。

 

 

今回のミステリーは養蜂と毒草が題材となる。

これもまた心惹かれる選択で養蜂はドイル。毒草はクリスティを思わせる。

 

ある非番の日にオドは後輩のフリートに呼び出され事件現場に赴く。

被害者は8歳の少年だった。レンガ工の息子で死因は食中毒と医師は判断したらしい。

が、オドは何か不自然なものを感じていた。

 

という出だしである。

貧しい少年が殺された事件(もしくは事故死)がケルンで最も富裕な貴族の事件に結びついていく。

しかしなんといっても楽しいのは様々な風貌のおじさんたちである。

そういえば以前山田五郎氏が配信で「今のファッションは男女で区別されるが、もともとは金持ちか貧乏かで区別をするものだった」と説明されていたがこのマンガ作品を見ると確かにと思わされる。

さて本作では「トリカブトの蜜は毒である」ことが鍵となっている。

そしてその毒の蜜をミツバチによって集めてしまうという恐ろしい行為が殺人へと結びついていく。

過激な演出家であればもっと劇的な表現もできそうだけど青池氏のそれは淡々としていて好ましい。

前回もだったけど今回も読みごたえありでなぜか「もったいない」という奇妙な感情が湧いてしまう。

青池ファンはそれなりにいるだろうけどもっと多くの人に教えてあげたいとじりじりしてしまうのだ。

ああ、どなたか海外の方で、そりゃあもちろんできるならドイツ・ケルン中世時代を舞台にしてドラマ化もしくは映画化してくれまいか。

しゃあなしで似非中世風どこかの国でもかまわない。日本ではちょっと・・・だけど日本だって地方都市なら許可しよう。

ってか日本ドラマ班なにしてるのか。

オドを実写化したくないのか。

くう。

これだからダメなんだよな。