21・22巻です。
ネタバレします。
公徳は父・玄徳が「天下人」であると感覚で知る。
賈詡は逃げ散らす玄徳を「道化師」と称して嘲笑った。
この凄まじい逃亡の中で糜夫人亀研は阿斗を守って死んでしまう。阿斗を受け取った公徳と阿斗の母親である甘夫人はなおも危険にさらされていた。
そこに趙雲が追いついてきた。
趙雲は阿斗を懐に抱き入れ甘夫人・公徳が乗った馬と己の馬を操って曹軍の中を駆け抜ける。
嘲笑いながら襲ってくる賈詡を斬りはらった。
玄徳はひとり逃げ続けていた。
その前に現れたのは孔明だった。
玄徳は孔明に「生まれて初めて嚢の中身をのぞいちまったよ」と言う。
玄徳は大きな嚢を持っている。
その中には今までに出会った様々な人が入っているのだ。
しかし孔明はその中に入っていなかったのだ。
玄徳は孔明に「おめえは一体何者だ」と問う。
孔明は玄徳の背後に乗り移り玄徳を抱きしめるようにして臣下の礼をとった。
「おいらというでっけえ饅頭を天下に喰わせるには誰も口にしたことのねえタレがいる!おめえはおいらのタレになれ」
孔明は「もう少し美しいたとえになりませんか。例えば魚に水とか」
関羽との合流場所漢津が見えてきた。
荀彧が玄徳を殺めようと近づく。
「すでにしておいらの在る処が天下だ」と玄徳は叫ぶ。
玄徳は関羽の船に飛び込んだ。
「たった今から天下は三分、つまりは天下三倍。以上の宣言をもって緒戦は劉備の勝ちとすべし」
帰還した荀彧は違わずに玄徳の言葉を伝えよと命じられる。
「天下が三つ」という不可思議な言葉に曹軍は唖然となる。
そこで捕らえられた徐庶が「諸葛孔明」の名を出すのだがここで奇妙なことが起きる。
人材についてあれほど貪欲な曹操がなぜか孔明の名をどうしても思い出せないのだ。
そして曹操は儒教の創始者孔子20代目の子孫孔融を処刑した。儒者であるがために。
さてここから(といっていいのかわからないが)かの有名な「赤壁の戦い」なのだろうけどこれがまた独特である。
孔明がいわゆる「呉」である孫家の揚州へ向かうのだが最初から感情昂って泣きっぱなしだし孔明の兄・諸葛瑾の風貌がに、人間じゃない?本作では孔明も妖怪のような存在なのでそういうのもあるのかもしれない。
大体魯粛が横山版と違いすぎて落ち着かない。が、魯粛が周瑜と昵懇なのは同じであった。
そして孫権は「わし自身の天命とは国とは天下とは歴史とは、それを知りたいがため曹操と戦う」とした。
が、そこへ「嗅覚だけで生きぬいてきた奴らじゃ」という若き将たちを周瑜に引き合わせた孫権に希望を見出した。
曹操は文官たちを乗せた船で江凌を発進し長江を下る。
曹操は蛮族から献上された鱸の鱠で食中毒となり苦しむ。
許褚は突如現れた刺客から斬りつけられるも「ぜんぜん痛くない」と言いのけた。
「一万年かかってもここを通れねえぞ」
しかし刺客はあっさりと引き下がり曹操の船に火をつけて去る。
視界のきかない濃い霧なのは同じ。
しかし曹操がまじで遊興のための水遊びをしていた、というのはふざけているな(褒めてる)