ガエル記

散策

ミステリー

『レベッカ』のレベッカと『ツイン・ピークス』のローラ 2

昨日の続きです。違う話になりますが。 誰からも心底愛されてしまう美しい若い女性。そして溺死体で発見される、というふたつの共通項はなかなかないのでは、とは思いますがだからといって『ツイン・ピークス』が『レベッカ』のパクリとは誰も言わないでしょ…

『レベッカ』のレベッカと『ツイン・ピークス』のローラ

人生にはいろいろなきっかけがあるものです。 先日ヒッチコックを紹介する番組の中で初期の作品『レベッカ』が出てきました。これは監督の渡米第一作作品で1940年の製作となっています。 実はこれ私、何度か見ようとしたのですがもともと原作小説が大好きで…

『[月因]脂扣(ルージュ)』關錦鵬(スタンリー・クワン)

この映画の情報やレビューなどを見ようと思って検索しても自分自身の過去ブログが先だって出てきてしまいどうも悲しいです。もっと皆さんこの素晴らしい映画を観ようではありませんか。 ちなみに私が持っているDVDは2002年に買ったものですが、今amazon見る…

『ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち』廣木隆一

2度このドラマの感想を書こうとして中断しこれが3度目ですが、いまいち乗り気になれないのは結局このドラマの題材が「美醜にこだわる女」という事だと思います。 女というのは美醜で人生が決まると思っているけどそうではない、という論旨は正解なのかどうな…

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』アンディ・ムスキエティ

昨晩「IT」地上波放送されていたということですが、かなりカットされていて面白さが激減していたらしいですね。 というわけでもないのですが以前録画していた吹き替え版を観ています。 しかしこの映画の何がみんなを夢中にさせるのでしょうか。 テレビ放送で…

『京城学校:消えた少女たち』イ・ヘヨン

男ばかり出てくる映画は数えきれないほどあります。学校もの、軍隊もの、刑務所もの、宗教もの、仕事もの。 それは性別だけ変えれば女ばかり出てくる映画になれるものばかりですが、その数は男性の比較にとてもならないと思えます。 なぜならどうしても映画…

『バルバラ異界』萩尾望都 ー夢と現実は交差する幾たびもー

また読み返した『バルバラ異界』読み込むととても面白いのですが、最初読んだ時は難しくてすぐに入り込めなかったのですが何度も読み返すごとにその世界に深く入り込んでしまう気がします。ちょうど渡会が他人の夢の中に入っていくように。 どうすればこんな…

好きなもの、嫌いなもの その3

さてさてえーと次はなにから話していきましょうか。書きながら考えています。 続きます。 SFもの。 まあ、SFもの、という言い方もおかしいのですが私はとりあえずSFが大好きだとは思います。けどもこれほど「もどき」が多い「もの」もないようにも思えます。…

好きなもの、嫌いなもの その1

映画やアニメや小説・マンガを観たり読んだりすることがずっと好きなのですが、当然なんでも良いわけではなく好き嫌い、というか手を伸ばすものは限られてきます。 もちろん、数えきれないほどの作品というものが時間が経つほど増えてくるわけですからすべて…

『キング・オブ・コメディ』マーティン・スコセッシ

『ジョーカー』が絶賛上映中のようですが、自分が観られるのはまだ随分先なので影響元かと言われている本作、未鑑賞だったので観てみました。 スコセッシ&デ・ニーロの『タクシー・ドライバー』は優れた内容で大好きな映画ですが、同じタッグで作られた『キ…

沼田真佑著『影裏』を読み解いていきます。その7

続きます。 もっとも重要なのはこの小説が一人称で書かれていることです。一人称はそれ自体がミステリーです。 一人称で書かれた小説は注意しなければならないということを私はアガサ・クリスティの傑作『アクロイド殺人事件』とウラジーミル・ナボコフ『ロ…

沼田真佑著『影裏』を読み解いていきます。その6

続きます。 勝手な解釈をしています。とりあえずネタバレにはなると思います。 『影裏』主人公「わたし」=今野秋一が「両性具有」と書きましたが本音を言うと実は「女性」という可能性と迷っていて決め手がないのです。 とは言え昨日書いた日浅との再会での…

沼田真佑著『影裏』を読み解いていきます。その3

続けます。 本書『影裏』実質90ぺーじほどのごく短い小説なのですが読んでいくには時間がかかるのが判ってきます。 多くの読者が前と繋がらなくなってしまい「あれ?」となって前に戻って読み直す、男なのか女なのかよく判らなくなってもう一度確かめてし…

『進撃の巨人』28巻まで

『進撃の巨人』28巻まで読みました。ちょうど今無料サービスが行われているんでそれみたいに思われそうですが、私は自分で買った紙の本をそのままにしていただけだったのを読み終えたところです。 えっとネタバレなのでご注意を。 って読んでなかったのかよ…

再び『少女革命ウテナ』

最近BDダビングが上手くいかないことが多くてそれに気づかぬまま後でまとめ見ようとした時にやっと気づいてorzが続いています。たぶん機器がもうヘタってるんですね。 こともあろうに『進撃の巨人』の数話がそうなってしまい、今回仕方なくdアニメストアで鑑…

BS1スペシャル「戦争花嫁たちのアメリカ」と『ゼロの焦点』

www.nhk.or.jp 本当に何も知らないまま生きていてこの年齢になって初めて知る、ということばかりなのですが最近になって読んだのが松本清張の本『ゼロの焦点』でした。 (以下『ゼロの焦点』のネタバレになりますのでご留意ください) その中に「戦後、日本…

『ゾディアック』デヴィッド・フィンチャー

こういった現実に起きた連続殺人を映画化した作品はあまたありますが、どうしようもなく惹かれて何度も観てしまう映画作品です。 ネタバレです。ご注意を。 たぶん主役のジェイク・ギレンホールがマンガ家という職業でその彼が事件を追って本を書く、という…