実写ドラマをほとんど観ていない私でも『仮面の忍者赤影』はさすがに少しは観た記憶があります。
相当にぶっ飛んだ忍者ドラマで特に凧に乗って飛ぶのが印象的でした。
物凄く二枚目忍者の赤影と生意気な子ども忍者青影と白髪まじりの白影が活躍するのですが私的にはまあまあという感じでそこまではまりはしなかったのでした。
私にとっての忍者ものは『風のフジ丸』『サスケ』『カムイ』という今思えば全部白土三平原作アニメでそのカッコよさにはぞっこんはまり込んでいました。
大人になってからも、というか大人になったらより白土三平作品に傾倒していきます。
と言う私がおそるおそる『仮面の忍者赤影』を初読みしたのですが。
ううむ。やはり『仮面の忍者赤影』は私にとっては面白い作品ではありませんでした。確かに
赤影のこのイケメンぶりは健在
青影がこんな美少年だったとは。
という思わぬ喜びはあったもののどうしても忍者=白土三平という美意識を持った頭がこの忍者たちを受け入れきれない。
比べちゃいかん、と思いながらも無理。このカッコよさを見たらもう無理なのだ。
いやいやいや。そもそも仮面の忍者赤影って「トンデモ忍者もの」なんだから、と思ってはみたのですがそれにしてはそこまでぶっ飛んではいない気がする。
ただひたすら赤影と青影コンビがかわいい、かわいすぎる。
残念無念。私には横山先生の代表作の一つ『仮面の忍者赤影』はいまいちだった。
と書いて終わるのかとおもっていたら三巻からなんだか横山流ユーモアがにじみ出てきた感じがする。
三巻から面白い。
忍者なのにきちんと準備して寝ているのがお腹痛い。ドタドタもおかしい。
腹筋辛い。
なにもかもおかしい。
「みごと受けてみよ」笑い死ぬ。
カムイとは別物だと思えるようになってきた。
別世界別世界。
これは『赤影』なんだけど描き方が完全に白土風。
きっと意識はされてたと思う。
しかし横山先生は横山先生の良さがある。得もゆわれぬユーモアだ。(白土さんはユーモアもあるんですが)
しかし本作ではあまり感じられなかったのはもしかしたら白土三平を意識してしまったから?
三巻で吹っ切れたのか?関係ないのか。
1967年で終了した『赤影』を20年後の1987年から別雑誌で横山先生自身でいわばリメイクしたのは第一作目が不完全燃焼だったからではないかと勝手に思いました。
というのは『新・仮面の忍者赤影』は最初からぶっ飛んで面白いのです。
別の話にせず再び「金目教」を題材にしているのにやり直しを感じます。
青影が最初女性に変更したのかと思ったら女装を得意とする少年忍者と言う設定なのもかなりのものです。(なぜくのいちにしなかったのか。男が好きすぎです横山先生)
新のほうはもう完全に『カムイ』とは比較などする気がしない。
中に人がいます。
完全にふざけた乗りを体得した。
ぷくく
敵もさあ
げ、幻妖斎
シュールすぎんだろ
というように『新・仮面の忍者赤影』は世界に羽ばたく忍者作品として楽しめます。
みなさま私のように『仮面の忍者赤影』でいまいちとなった方も『新』まで是非お読みください。