すみません。がまんできずに最後まで読んでしまいました。
あまりの感動に言葉もありません。手塚治虫の最高傑作なのではと思えました。
しかしここでは地道に続けていきます。
ネタバレします。
ちょうど二巻から。
第九章「お峯」
1875年石狩幌内熊尻 太財炭鉱
太財一家の野望は「エゾ共和国」を作り上げることだった。
しかしその夢は遠い。
シュマリが持つ三万両を手にいれることができないまま炭鉱に着手したが坑内の事故が相次ぎアイヌの坑夫の事故死が相次いだ。
そんな中、太財峯はひとりシュマリのもとへと向かっていた。
シュマリはポン・ションの二人暮らしで馬を飼おうとしていたがその試みは困難なものだった。
「私を使わない?」
というのが峯の申し出だった。その代償は三万両の金だ。
太財家を窮乏を救うため峯は自分自身を犠牲にしようとしていた。
が、厳しい冬の寒さと戦ううちにシュマリと峯は心が通っていく。
そして小さなポン・ションもまた峯を母親として慕うのだった。
1876年5月
シュマリは地元の野生馬と本土の馬を掛け合わせ寒さに強い農耕馬を作ろうと考える。
峯の父が死ぬ。
峯は妙の存在を知る。その顔姿がじぶんとそっくりなことを見てシュマリにとって自分が妙の身代わりだったと思い知る。
怒った峯は指名手配犯になっているシュマリを訴えたのだ。
シュマリは逮捕され投獄された。
北海道開拓次官は黒田清隆になっていた。
北海道には開拓軍が置かれ屯田兵制度が定められる。
北海道の開発と治安は目に見えて進んでいく。
1877年4月西郷隆盛を中心とする反乱が起き、それに前後して各地に不満分子の旧士族の反抗が多々あった。
国事犯といわれた囚徒が増え彼らの弾圧も厳しさを増した。シュマリはそんな情勢の中で捕らえられたのおである。
政府はそのような囚人をすべて北海道へ移し脱獄逃亡を根絶やしにした。
刑が終わった後も開拓に従わせた。
こうしてその年一月、札幌に集治監(監獄)が出来たのだった。
集治監でシュマリは殺気を漂わせる奇妙な男と出会う。十兵衛と名乗る。
シュマリは太財弥七の炭坑に引き取られることになる。これは峯の考えだった。
そして十兵衛はシュマリと一緒に行きたいと願い出た。
峯はポン・ションが待つ牧場へと戻る。
そして兄の炭鉱で働くシュマリに会い「子どもができた」と告げたのだった。
ある日、シュマリが父の仇だという男が現れる。
かつてシュマリはひとりの男と出会うがイナゴの大群に襲われてその男は食い殺されたのだ。
しかしそんな言い訳を信じるわけもない。
仇討ちだというその息子はシュマリを銃で撃った後斬り殺そうとした。
が、ここで十兵衛がその仇討ち男を逆に斬り殺してしまう。
その剣術は天然理心流だった。シュマリは十兵衛が新選組だったと知る。
1878年5月
台風の中、峯はポンションに付き添われながら男児を産み落とした。
そのころ妙は華本要という男爵と出会う。華本男爵は妙に惹かれる。
男爵は困難な生活を続ける妙を救いたいと思う。
地震が多発していた。
シュマリは太財弥十に騙され十兵衛と共に炭坑へと入った。
そこで弥十はシュマリと決着をつけようというのだ。
そんな時また地震が起こり坑道は落盤した。
そこへ現れたのは十兵衛を「歳さま」と呼んで訪ねてきた女、男の格好をした女だった。
なつめというその女は土方歳三を探してきたのだという。
シュマリはやはり新選組だったのかと納得する。
またも地震で落盤した。
生き埋めになった四人はシュマリを先頭にしてなんとか抜け出そうとする。
物凄い冒険ものだ。
最後まで読んだせいもあってますますこれらの冒険譚が意味あるものに思える。