モーニング増刊「月刊モーニングtwe」2021年12月号~3月号、5月号~8月号
ネタバレします。
【第十二回 勇躍して双童師命を受け 機を見て公主戦場を走る】
悟空の前に再びサソリ女が現れ激しい戦いとなる。
共にいたアシャイバンダクは持っていた剣を蹴落とされ妖物の毒を浴びてしまう。
サソリ女の鋭い蹴りで悟空のマフラーが裂ける。
悟空が追いかけるとサソリ女は地上へと向かう。
「まずい。上にはあの二人が」と思った悟空は先ほどの蹴りで毒が回ったと見せかけるかのように呻いてうずくまる。
それを見た女はとどめを刺しにきた。
が、それは悟空のブラフであった。
女が近づいたところで悟空は金箍棒を振り回す。
女はやむなく地下道を逃げていく。
アシャイバンダクは浴びた毒で痛んでいた。
双子も降りてきて心配の声を上げた。
四人は地上へあがるが次第に毒がアシャイバンダクを苦しめ始める。
悟空はアシャイバンダクを背負って歩き出すが通りかかったのが馬に乗った公主だったのだ。
アシャイバンダクを馬に乗せてナササラルたちが休んでいる場所まで運び解毒剤を飲ませたのである。
解毒剤によって苦痛を和らげたアシャイバンダクはナササラルたちにカレーズは限界だと伝える。
妖物を取り除くには強い聖性を持つ者が必要だ。
この時双子は「牛のおしっこをいっぱい集めてかけたら」と言い出し怒られてしまう。
だがアシャイバンダクは「この世は善神アフラ・マズダーと悪神アンラ・マンユの相克によって成り立っている。魔族たちがアンラ・マンユの眷属である限りアフラ・マズダーが造りし神聖な牛の聖性には勝てぬのだ」と悟空に説明した。「いっぺんにあれを引きはがすパワーを持ちなおかつ牛の聖性を身に着けた者でもなければ」
悟空は眉を顰め「そんな都合のいい奴が」と言い淀んだ後「いる」と気づく。
悟空は双子そして馬を貸してくれた公主を引き連れ地下道を通り城内へと向かう。
牛魔王がいる城内はソグド兵の攻撃そして暴徒のひとりガズテクの裏切りで騒然としていた。
ムカンサは逃げ出すがジュンマイはカシュラートと共に行動する。
ムカンサは抜け穴を通り悟空たちと出会う。
公主は突然そこにつながれていた悟空の馬に乗って城内へと駆けていく。
楊隗が現れ公主さまを追いかけ悟空も続いた。
城内では暗闇の中ソグド兵が暴徒も子供も関係なく皆殺しにしていた。
公主は牛魔王を捜していたがソグド兵たちに阻まれ進めない。
楊隗が追いつき公主を守る。
公主はなおも牛魔王に会おうとしていた。
牛魔王は子供たちを引き連れ高い塔に上り追いかけてきたソグド兵たちを突き落とす。
その音が悟空たちに届く。
【第十三回 孫行者 火中に栗を拾い 牛魔王 暗中に塔に登る】
なんとしても牛魔王に会いたいとう公主に手を焼く楊隗と悟空。
そこへジュンマイが来て子供集団の様子を告げる。
公主は好都合とばかりジュンマイに塔に登る方法を見つけ出せと命令しムカンサには双子を捜せ、悟空にはここにいろと命じる。
誰も公主には逆らえない。
公主に従って側にいた悟空の前にヴァンダカが現れた。
いがみ合い続け来たふたりはついに戦うことになる。
が、ソグド兵たちと作戦途中だったヴァンダカはいきなり戦うのをやめて逃げ出してしまう。
しかし行動中の兵たちは何者かに襲われ絶命していた。
やむなくヴァンダカはそこを去る。
双子たちは自力で塔を登っていた。
その途中でサソリ女と向かい合ってしまう。
先ほどソグド兵を殺したのは女だったのだ。
そして公主はジュンマイから塔に登る方法を聞き出しひとりそこへ向かった。
【第十四回 双童 勇を鼓して牛王に見え 魔王 義に感じて妖邪を破る】
公主はソグド兵も恐れず塔へ登ろうとする。
悟空とジュンマイが続き楊隗はソグド兵に立ち向かう。
双子は塔を登り続けもう少しというところで落ちそうになりサソリ女によって塔の上へ放り上げられた。
そこには大勢の子供に囲まれた牛魔王がいた。
双子は牛魔王に話しかける。
「ぼくたち、お願いがあってきたんです」
公主もまた突き進んでいた。
無鉄砲な公主を悟空は守りながら進む。
夜が明け始めジュンマイは城壁の上を進みながら城壁の下にはカレーズが続いているのを見る。
下に降りればカレーズの通路を通って逃げられるのだ。
ジュンマイは城壁から塔へと跳びカシュラートに逃げ道を教える。
カシュラートは皆が持っている投石器の紐を繋げて下へ降りようと考えた。
それを見ていた牛魔王はしがみついているシュムを離すと塔の下へと飛び降りたのだ。
塔へ飛び移ろうとする公主に「もう牛魔王はいない」と伝え悟空はソグド兵たちと戦い続ける。
最後にカシュラートが塔を降りた。
塔の上にはジュンマイとシュム、そして双子とクイ・グイが残った。
牛魔王はカレーズの中へと降りた。
そこにはあの妖物の固まりがある。
突如カレーズが爆発した。
カレーズに水が戻り暴動は治まった。
妖物は消え、水に毒が混入した様子もなく寧戎城のオアシスには平穏が戻った。
暴徒たちは殺されあるいは逮捕された。
そして牛魔王と子供集団はそのまま姿をくらまし見つからなかったのである。
本編はモーニング増刊「月刊モーニングtwe」2021年12月号~3月号、5月号~8月号に刑されたものとなっている。
ここで「火焔山の章」完結とは明記されていないし講釈師の「今回はここまででございます」という言い方からまだ続行するのだろう。
そして諸星氏の言葉として「まだ役者が揃ってきたばかり、気長にお待ちください」とある。
現在2025年6月でその続編の情報は無いようだ。
ここで完結、となってしまうのかもしれない。
が、やはり期待はしてしまう。
とはいえ本作は「大唐篇」「西域篇」を経て「天竺篇』の3部構成になる予定だという。
西域篇はまだまだ続くはず。
ならば「天竺篇」は・・・まさに天竺への旅そのもののようだ。