ガエル記

散策

政治

東京ブラックホールⅡ 破壊と創造の1964年

少し前、「昭和は良かった」とやたら昭和を良い時代だったと懐かしむ風潮がありました。 私は昭和38年生まれなので思い切り昭和時代に成長期を過ごしたのでどっぷり昭和人間です。平成という時代は次の時代という感慨しかないわけですが「昭和」という時代を…

『OVERMANキングゲイナー』再鑑賞

『OVERMANキングゲイナー』再鑑賞終わりました。 一度目に観た時より面白く感じました。富野世界のごちゃごちゃ感が私は大好きなのでそこらへんは文句なしに楽しめたわけです。 それなのに何故一度目「より」楽しめた、という書き方になるかというとたぶん一…

『拉致と日本人』蓮池透・辛淑玉

こういう本ってどうしてこんな怖い表紙なのでしょうか。軽くてふざけたデザインだと気分が出ない、のかもしれませんがこういうものほどあえてかっこいいマンガや可愛いイラストを用いてもいいのではないかと思ってしまいます。 せめて色合いとロゴがもう少し…

これからの日本の生活に必要なのは「弱い人を助ける正義」

消費税10%になる10月が始まりました。 ここまで生きて来て日本という国がどんなに欠点だらけの国なのか骨身にしみてきたように思えます。 以前、まだこの国がマシだと思っていた頃、「弱い国ほど自分の国を褒めたたえ愛国を強調する」という話をなんとなく笑…

『チェルノブイリ』ドラマ

www.amazon.co.jp 上のリンクに書かれているとおり、10月5日まで第一話が無料配信なので観てみました。予想はしていましたが、あまりにも怖ろしい映像が続きます。 これを観てもなお原子力発電所は安価で効率が最も良い発電所だという人がいるのでしょうか。…

『OVERMANキングゲイナー』富野由悠季

『OVERMANキングゲイナー』再鑑賞、はじめました。 これもかなり後、というかちょい前くらいに観たものです。なんともいえないリズムのある面白さにすっかり参ってしまいましたが、今回観なおしていて前以上に「これはすごく面白いのでは」と思いながら観て…

『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子

1981年に出版され大大ベストセラーになった本作ですので読んでいて当然と言っていいのですが当時18歳という年齢だったためか、もともとベストセラーとか「お勧めの良書」みたいなのを敬遠する性質だったのもあって今までちらりとも読んでいませんでした。 し…

小泉進次郎のポエムはいかに

小泉進次郎氏「ポエム発言政治家」という認定になっておりますね。 確かに従来の日本の政治家にはない奇天烈な感じはします。けど、他の日本の政治家が難しい質問に明確に答えてきたのかとも思います。少なくとも今のところ私が効いた範囲内では人の人格を踏…

『進撃の巨人』のすげえとこ

『進撃の巨人』のストーリーについてはやはり終わってからにしたい気持ちがあるのでここでは他の設定について色々考えてみます。 なんといっても「衝撃」と言っていいほどだったのは男女の性差別の緩やかさですね。 これも異世界ものを構築する時に作り手の…

被災地・避難場所-楽しい避難生活はまだ?-

日本では大きな自然災害が次々と起こっているように思えます。そのたびにTVに映し出される被災地での避難場所の光景がいつまで経っても昔とまったく変わらないのはどうしてなのでしょうか。 体育館に大勢が集まって雑魚寝をするという避難方法はもう何十年も…

すぐそこの老後生活はもう来ない

60代後半、70代以上で働いている人たちを見て驚き絶望するという話をされていることがよくあります。たぶん若い年頃の方なのだろうと思ってしまいます。 その年齢に近くなってきた私には当たり前のようにしか思えないからなのです。 50代も後半になった私に…

BS1スペシャル「戦争花嫁たちのアメリカ」と『ゼロの焦点』

www.nhk.or.jp 本当に何も知らないまま生きていてこの年齢になって初めて知る、ということばかりなのですが最近になって読んだのが松本清張の本『ゼロの焦点』でした。 (以下『ゼロの焦点』のネタバレになりますのでご留意ください) その中に「戦後、日本…

『シン・ゴジラ』庵野秀明 もう一度書く

『シン・ゴジラ』についてもう一度書いてみたいと思います。 怪獣映画と聞いてオーソドックスな物語を想像した観客には奇妙な作品であるでしょう。もちろん庵野監督の特徴を知っていて大好きな人たちには納得の作品であり満足させてくれるものなのですが。 …

『シン・ゴジラ』庵野秀明・樋口真嗣

ちゃんと書いてあった。 観ながら書いてます。 日本で大喝采、海外では大ゴケと言われています。日本人ならこの面白さがわかるはず、と言わんばかりですがそれでも共感できない日本人もいるわけですよ。 私自身は最初観た時からソリが合わず、2度3度と鑑賞を…

『ひろしま』関川秀雄と『はだしのゲン』アニメと『この世界の片隅に』

現実に起きたことを物語作品とするのはフィクションとはまた違った難しさがあります。 特にそれが戦争というような複雑な要素が絡み合い容易に言明できない場合どのような事柄を拾い上げどのような人物によって語らせていくか、その選択が作品を大きく変えて…

絶滅危惧種

あまりにも空しくてどうしようもない。 こんなことがいつまでも続いている社会でどうやって生きていけばいいのか。 若い頃「日本の男尊女卑は酷い」という言葉を聞いて「そんなまではないのでは?」と思った記憶が残っています。 気づいていなかった、という…

「ガタカ」アンドリュー・ニコル コン・ゲームでした

なかなか色々考えさせてくれる面白い映画でした。 ありそうな、というかもうすでにその片鱗さえ身近に感じられる近未来SFでありディストピアものですが、内容をジャンル分けするならSFというよりは欧米映画での人気ジャンル《コン・ゲーム》のほうなのではな…

「銀河英雄伝説」本伝・石黒昇 

「銀河英雄伝説」本伝・石黒版全110話、観終わりました! 外伝から鑑賞を始めて幾つかは観ずに本伝に入ったのですが確か6月1日からだったのでおおよそ一か月かかったわけです。 物凄い量ですが名残惜しくもあります。 とにかく! 「銀河英雄伝説」小説本10巻…

「昭和史裁判」半藤一利・加藤陽子 第一章・広田弘毅 その3

広田弘毅を読んで考えて三日目になりました。半藤一利・加藤陽子対談著「昭和史裁判」の【第一章・広田弘毅】から触発されたのでした。 裁判形式で語られているこの本では半藤一利氏がいわば検察官となって広田の罪を講じ加藤氏がその釈明をする、となってい…

「昭和史裁判」半藤一利・加藤陽子 第一章・広田弘毅 その2

広田弘毅に関して私はまったくの無知で、この本を読んで初めてその人となりというかどのような評価を受けた人なのかを知りました。 昨日も書いたように地元では無論「福岡県初の総理大臣」(2番目が麻生太郎氏というのがなんとも。思い切り振り幅がある二人…

「昭和史裁判」半藤一利・加藤陽子 第一章広田弘毅 その1

半藤一利(歴史探偵・作家)加藤陽子(東大大学院教授)となっています。冒頭で歴史の主役級の人々を登場させ半藤氏が検察官あるいは検察側証人、加藤氏が弁護人あるいは弁護側証人となる。被告は人間というより昭和史そのものという歴史法廷を行う、という…