1977年「週刊マーガレット」9月号
萩尾氏は「まさか私がブラッドベリを漫画化できるとは」と語っていますが私も「まさかブラッドベリを萩尾望都作画で読めるとは」と思いました。
ここに収められた物語はやはりどれも好きなものでした。
そんな思いとは別に。
このマンガは「週刊マーガレット」掲載だったんだあと驚きました。
集英社だったとは!小学館何やってんだあと思ったら今現在文庫本として販売されているのは小学館なのね。
でも私は下を持っていました。
こちらも持っていますが。
本巻ではタイトルの『ウは宇宙船のウ』が冒頭に収録されていますがいつもどりwiki年表に従い発表順の『霧笛』から記述していきます。
ネタバレします。
『霧笛』なんという広大なロマンだろうか。
ブラッドベリは特に恐竜好きと聞いた。
その思いがここに詰まっているのだろう。
恐竜に会ってみたいという思いが。
恐竜は深い深い海の底に生きていて遠い昔の夢を見ているのだ。
そこに霧笛の音が彼の眠りを覚まし呼びかける。
その霧笛は一人の男の思いから作られた。
それを聞く者はみな永遠というものの悲しみと生きることのはかなさを知るのだ。
かつて私は野田秀樹氏の演劇『半神』を観た。萩尾望都原作のものだ。
だがその中にこの『霧笛』の言葉が使われていて驚いた。
それが許可されるものだったのかどうかはわからないが実の声で聴く
「そんな歌をつくってやろう」
は心に残った。
『霧笛』は灯台守の男の語りで構成されている。
朗読が聞きたい。