ガエル記

散策

宗教

『最後の誘惑』マーティン・スコセッシ

こんな面白い映画だったのか!と唖然として観ました。 何度も観なおしてみたいと思います。 ネタバレですのでご注意を。 裏切り者とされるユダが実はイエスの最も忠実で深い関係にある弟子であり友人であるという解釈は素晴らしいと思えます。 クリスチャン…

『サスペリア』(2018)ルカ・グァダニーノ

ダリオ・アルジェント『サスペリア』のリメイク作品ですが、えげつなく凄い映画でした。 ネタバレですのでご注意を。 リメイク、と聞くと前作より劣化したものがほとんどという印象があるものですがこの作品においてはそれは当てはまらないだけでなくリメイ…

ナルチスとゴルトムント ヘルマン・ヘッセ『知と愛』より

ヘルマン・ヘッセ『知と愛』についてもう少し。 特に勉強したことなどない者の戯言ですが。 この物語は大まかに3つの章によって構成されています。もう少し細かく言えば3つ目を前半後半として4つの章とするべきかもしれません。 第一章はマリアブロンという…

『サスペリア』(1977)ダリオ・アルジェント

再鑑賞です。 昔見た時よりも今観て「これ凄いのでは」と思えてしまう作品です。 ホラーというカテゴリですが極めて独特で恐怖というより製作者が気が狂ってる(誉め言葉)としか思えません。 ヒロインのスージー・バニヨンを演じるジェシカ・ハーパーが日本…

樹村みのりを読まねば

www.amazon.co.jp いつものように映画を観て感想を書こうと思っていたのですが、ツイッターで「樹村みのりの作品」について書かれていたのを見かけて急に心が動いてしまいました。 樹村みのりのコミックスは何冊か持っていますし大好き、しかも年を経るごと…

『ヴィレッジ』M・ナイト・シャマラン

これは最初からネタバレになります、と書いておきますね。ご注意を。 いろいろな見方ができる作品だと思います。 まずはレイ・ブラッドベリを読んでいたなら(か、萩尾望都の漫画化作品を)本作が「10月はたそがれの国」の一編『びっくり箱』からのオマージ…

『最後のジェダイ/スターウォーズエピソード8』ライアン・ジョンソン

ep7『フォースの覚醒』にスターウォーズの破壊だとがっくりし脚本最悪ではと本シリーズに失望した私ですがep8『最後のジェダイ』は一転こちらはマジで面白いと思ってしまいました。 監督J・J・エイブラムスとライアン・ジョンソンの差異なのでしょうか。…

『フォースの覚醒/スターウォーズエピソード7』J・J・エイブラムス

エピソード7ここからは「新しいスターウォーズ」という感覚になります。事実ジョージ・ルーカスの手を離れディズニーカンパニーによって製作されていくことになるわけですね。 以前にチラ見はしていたのですが今回改めて鑑賞して思うのですがこれはもうはっ…

『ジェダイの帰還/スターウォーズエピソード6』リチャード・マーカンド

しかしこのポスターもよく見た記憶 むちゃくちゃ面白く楽しいなかにイウォークという可愛いヤツをぶちこみました。 ヨーダの可愛さも絶大です。 ネタバレになります。 それにしても皇帝の最期がポイ捨て、っていうのは侘しくて最高です。つまんでぽい。 当時…

『レベレーション』5 山岸凉子

年末に購入して読みました。一年に一度クリスマスに読める山岸凉子マンガ『レベレーション』は楽しみです。 が、内容は想像していた通りですが大変辛いものです。 ジェンヌ・ダルクが華やかに活躍できたのは一時期だけで他はひたすら苦渋の日々です。 山岸凉…

『シスの復讐/スターウォーズエピソード3』ジョージ・ルーカス

2020年初の映画鑑賞は『シスの復讐/スターウォーズエピソード3』となりました。 数日前から「『スターウォーズ』シリーズは新しい時代の旧約聖書となる」説を謳っている私ですが『シスの復讐』はまさしくその名にふさわしい内容であります。 『スター…

『ファントムメナス』スターウォーズ・エピソード1

はい。世間で最終章が公開されている折、1を観ていましたよ。 この映画は以前観たはずですがよほどぼんやり観てしまったのか、ほとんど記憶に残っていなかったのでした。 といってもところどころが記憶に残っていました。 本作『ファントムメナス』はスター…

100分de名著『カラマーゾフの兄弟』

www.nhk.or.jp NHK「100分de名著」今回はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」大変おもしろい内容でした。非常に難解な長編小説、という紹介をされることが多い本書で確かにそうなのでしょうが、私はきわめてミーハー的読者としてこんなにぐいぐい読め…

『わが谷は緑なりき』ジョン・フォード

宮崎駿アニメ作品『天空の城ラピュタ』を知っている人はこの映画が濃く影響していると感じるでしょう。 登場人物の善良さにも感じます。 冒頭のよくとおる呼び声がラストに関係してきます。炭鉱で働く村人が歌うことが好きで歌声が素晴らしい、ということに…

刑罰

news.yahoo.co.jp この話、つまり「日本の刑罰で無期懲役と判決を受けた場合、15年くらいで出所してしまうからヤバい」というのはよく我が家でも、というかうちの夫が話していて私自身も知らないし調べようともせずに「そんなことって?」とだけ思い続けてい…

『レベッカ』のレベッカと『ツイン・ピークス』のローラ 2

昨日の続きです。違う話になりますが。 誰からも心底愛されてしまう美しい若い女性。そして溺死体で発見される、というふたつの共通項はなかなかないのでは、とは思いますがだからといって『ツイン・ピークス』が『レベッカ』のパクリとは誰も言わないでしょ…

『ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち』廣木隆一

2度このドラマの感想を書こうとして中断しこれが3度目ですが、いまいち乗り気になれないのは結局このドラマの題材が「美醜にこだわる女」という事だと思います。 女というのは美醜で人生が決まると思っているけどそうではない、という論旨は正解なのかどうな…

『ファーストマン』デイミアン・チャゼル

ネタバレですのでご注意を。 ニール・アームストロングはほとんど表情を変えなくていつもむっつり考え込んでいる男でした。その考え事のほとんどは「月へ行く仕事」をいかに上手く達成するかということですが、その考え事の奥底には幼くして死んでしまった娘…

『少女革命ウテナ』再鑑賞

『少女革命ウテナ』2周目、観終わりました。 ラストやはりとても素晴らしい。 愛とはなにか。生きるという事はどういうことか。 このアニメを観て他のいろいろな本を読んで世界を見て知っていくことは大切です。 そしてなんといってもこの華やかな絵柄、演劇…

「王妃マルゴ」(7巻まで)萩尾望都 その苦悩は癒えていないのです

7巻かなり前に発売されていましたが、やっと読めました。 やはり面白かったです。 史実(といっても史実は知りませんが)を描いたマンガでフランス宮廷を舞台にした宗教戦争、様々な人々の野望と愛憎が渦巻く物語でかなり駆け足で話が進んでいくのですが、萩…

「ふたつをひとつに-ロボットと仏教-」森政弘

ロボットが好きなのですぐに予約録画してしまいました。 内容は思った以上に面白かったです。 なんといっても工学博士森政弘氏のキャラクターが魅力的でありました。 あの「不気味の谷」の提唱者がこの方だとは知りませんでした。 御年92歳で大好きな本を取…

宮沢賢治と「八紘一宇」

私は宮沢賢治が大好きであの美しさと可愛らしさに憧れている者です。好きになると作家のことをいろいろ調べたくなるもので私もたいした分量ではありませんが少しはあれこれと読んでみたりしました。 そうすると宮沢賢治という人はいろいろ謎めいたというか表…

新宗教待望論

田舎暮らしで在宅で仕事をしている我が身なので外での出来事を知るにはインターネットによってという日々を送っています。 そんな中で怖ろしくなってしまうのは「もしかしたら今の日本人というのはかなり“酷い精神状態”にあるのではないか」ということです。…

「ジャンヌ・ダルクの生涯」藤本ひとみーその2-

朝の続きです。 さて「エクスタシー」です。 本著第四章に「エクスタシィを感じるか」という項があります。ここで「神の声はどのように語るのか」という質問に対しジャンヌは自分を助けてくれるという声が聞こえてくること、これを聞くと非常な喜びを感じ恍…