ガエル記

散策

歴史

『 スタンドアップ』ニキ・カーロ

wowowオンデマンドにて鑑賞。2005年製作映画でシャーリーズ・セロン主演という華やかさでありながらまったくタイトルすら知りませんでした。 もちろんそれは私が「知らなかった」というだけの話ですがもう少し話題になってもよさそうだと思ってしまいます。 …

『青天を衝け』NHK大河ドラマ その2

『青天を衝け』ほんとうにめずらしく日本ドラマに感心しています。 大河ドラマは基本戦国時代の武士を主人公にしたものになりがちなわけですが今回の渋沢栄一はかなり豊かであるとはいえ農民でしかも米作に向かない土地の為に藍玉作りを主とする農家の生まれ…

『 THE WAVE ウェイヴ』デニス・ガンゼル

なんのきっかけだったのかもう忘れてしまいましたがずっと気になっていた映画作品でやっと観ることになりました。 ネタバレしますのでご注意を。 ドイツのとある高校の一クラスで一教師が独裁政治とはどういうものかを生徒たちに体験させるという実験のドラ…

『226』五社英雄、『激動の昭和史 軍閥』堀川弘通

明治から昭和初期にかけての歴史をもっと学びたいと思っているのですが、ドラマや映画、マンガにしてもその時代が舞台になるものはかなり少ないのが実情です。 実写映像でテーマをもってまとめられているという点で映画は非常に良いメディアなのですが観たく…

『HOUSE ハウス』大林宣彦

今まで何度か観賞しようとして挫折していたのですが昨日の『花筐』感動に力を借りて再挑戦してみました。 1977年公開当時私は大林監督が観客対象者に望んだ15歳以下だったわけですがその時観たとしてもこの映画を楽しめる才能はなかったように思えます。 今…

『花筐/HANAGATAMI』 大林宣彦

大林監督作品、今まで上手く作られていると思っても一度も心底から好きになったことはなかったのですが本作は素晴らしかったです。 若者であるはずの主人公とその友を中年男性で演じさせるという手法が酷くしっくりいってしまうと感じたのは私が年を取ってい…

『マダム (Madame)』ステファン・リトゼール

場所はスイス。裕福な家庭に生まれ育った青年が恵まれた幸福な成長期の中で自分がゲイであることに気づきながらも皆が言う「普通の男性」であろうとしながらついにゲイであることを確認し家族に告白する過程を追っていったドキュメンタリー作品です。 なんと…

『ダーク・プレイス』ジル・パケ=ブランネール

以前にもこの映画を観て「良い」という記事を書いたのですがその頃は集中力が欠けていていまいちよくわかっていませんでした。 今回観なおしてすばらしい映画だと再認識しなおしました。 以下ネタバレしますのでご注意を。 この作品のテーマは「赦し」である…

『青天を衝け』NHK大河ドラマ

ラストに登場したこの画像良いですね。 NHK大河ドラマ、前回の明智光秀には食指が動かず(今更またまた光秀と信長か、という)ちらと見ても惹かれなかったのですが今回は幕末以降という時代背景に非常に期待しています。 第一話というのは視聴者をつかまねば…

『雲を抜けた月のように』イ・ジュニク

イ・ジュニク監督作品アマプラにあるのを発見。うれしい。 しかも韓国の歴史ものを観たいと思っていたので一石二鳥の喜びであります。(鳥はかわいそうだが) ネタバレになりますのでご注意を。 本作より5年前に製作された『王の男』と比較すれば華やかでは…

『キリング・ストーキング』クギ その2 『愛の嵐』

『キリング・ストーキング』で久しぶりに心が動いた気がします。キャラのふたりのどちらも好きではないしむしろむかつくくらい嫌いなのだけど嫌いでも心は動されてしまうしどうしようもなく離れられなくなるのです。それは作品中のふたりが互いを思っている…

「100分de萩尾望都」その3『バルバラ異界』

番組を観る前『バルバラ異界』が取り上げられないのではないかと思って「これが最高傑作なのに」と思わずツイッターに書いてしまったのですが中条氏が選んでくださっていてうれしい限りでした。しかも私と同じように「これが最高傑作ではないか」とも言われ…

『黒く濁る村』カン・ウソク

これは思いもかけずとんでもなく面白かったです。 言っちゃなんだけど昨日の『ヘレディタリー』よりも私にとっては価値ありの作品でした。 出だしはちょっとたるい感じで映像もいつもの韓国映画より質が落ちるような気がして低予算なのかななどと思っていた…

『ヘレディタリー/継承』アリ・アスター

『ミッドサマー』を先に観てからの鑑賞になりました。 これを観て期待しての『ミッドサマー』はかなり凄い心境になりそうですね。 本作は観る者が試される作品でもあるのでしょう。 ホラー映画としては特に目新しいわけではない、という感想も予想できてしま…

『県警対組織暴力』深作欣二

一月万冊の平田さんからお勧めされて(話題になってたということですが)初めて観ました。 これまでいろいろな映画観てきましたがどういうものか洋の東西を問わずヤクザ映画はどうしても好きになれなかったのです。 なので名作と言われる深作欣二の一連の映…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その4

続けます。 山岸凉子他の作品についてもネタバレしますのでご注意を。 タイトルに「完結した」と書いてしまいましたが、山岸凉子という作家においてこの物語は完結したのでしょうか。 山岸凉子ほど自分の内面を見つめ恐ろしい心理を描き抜いた作家はいないと…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その3

続けます。ネタバレしますのでご注意を。 山岸凉子著『レベレーション』は『日出処の天子』と違って史実に忠実に描いた、と作者自身書かれていますが、私は同じく作者本人の心が反映された物語そのもの、と考えています。 他にあまり書かれたことがなかった…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その2

昨日の記事に「この考察は的外れだ」という指摘があったのですが私にとっては的にめり込む考察であります。この考察をして書かなければ私にとって山岸凉子を読む意味がありません。 では続けます。 ネタバレしますのでご注意を。 巻末に『逃げるは恥だが役に…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その1

『レベレーション』6巻。 山岸凉子氏が描いたジャンヌ・ダルク物語が6年を経て完結しました。毎年クリスマス頃に発売されていたので覚えやすく毎年楽しみでした。 以下ネタバレします。他の山岸凉子著作についてもネタバレしますのでご注意を。 実は『レベ…

『バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍』ドミトリー・メスヒエフ

観た人は多くの方が同じ感想を抱いてしまうでしょう。タイトルだけを見ると変な映画にしか思えませんがこのDVD画像はなかなかかっこいいですし内容はかなりリアルな描写の本格派作品です。 共産圏は女性も軍人になるというイメージがありましたがこれはまだ…

『京城学校 消えた少女たち』イ・ヘヨン

再鑑賞です。とても好きな映画です。いろいろな萌えポイントを押さえまくった作品です。前も書いたでしょうか。こうした韓国における日本支配下の恐怖状態というのは映画として最上のオカルトポイントなのですが日本人の私が書くのも怖いのですが韓国映画で…

『高地戦』チャン・フン

また凄い映画を観てしまいました。しばらく韓国映画から離れていたので良いのが貯まりすぎてます。 朝鮮戦争について知っているのは『MASH』くらいです。本作がどれほど史実なのかなどはわかるはずもありませんが本作の価値はそこにあるのではないと思え…

ユートピアはディストピアであり人類はひとつになったりしないのだ

「もし人類以外の強大な敵が現れたら人類は一丸となり争い事をやめるだろうと。おぬしはどう思うかの?」 『進撃の巨人』でピクシス司令の問いかけにエレンは「あくびが出ます」と答えます。「その強大な敵にここまで追い詰められた今でも一つになったとは言…

『JSA』パク・チャヌク

実に久しぶりに観たのですが、あまりにも素晴らしく、面白くて驚きました。 初めて観た時は「韓国映画も面白いものがあるのだな」的な感想だったように記憶するのですが今これを観ればそんな偶然の産物ではない技術と哲学を感じることができます。 なんとい…

『王の涙-イ・サンの決断- 』イ・ジェギュ

なんとはなしに選んだ映画でしたが昨日の映画とチョン・ジェヨンつながりでした。 本作も韓国映画の本領・凄みのある復讐劇と言いましょうか、これでもかという究極の怨念を美しい映像で物語っていきます。 何度も言いますが現在技術も精神力も韓国映画のク…

既存の流通システムを破壊しよう

先日「一月万冊」で清水氏と安冨歩教授が映画や本の流通システムについて語る動画がありました。 安冨教授が言われるには「『れいわ一揆』で原監督や自分がどんなに宣伝に駆けずり回っても映画会社からはまったく報酬がない」ということでした。 この言葉を…

『弁護人』ヤン・ウソク

予備知識なしで観始めたのですがこれは韓国大統領だった廬武鉉がモデルになっているのでした。それにも驚きました。 つまりこの映画の内容は反政府的であり映画公開当時の韓国政府に反感を持たれてしまうのは必至だったわけです。主演のソン・ガンホは当時政…

『光州5・18』キム・ジフン

実際に起きた悲劇のクーデターを描いた作品と比較してしまうのは申し訳ないのですがこの映画に見合う日本映画は『シン・ゴジラ』ではないかと思いました。 というのは映画自体の品質は良くないのでそれぞれにとっての外国での評価は低いけれど本国では国民的…

『タクシー運転手 約束は海を越えて』チャン・フン

韓国俳優さんはみんな背が高いなー。ソン・ガンホも大きいけど若いやつさらに高いとは。 韓国映画スイッチが入ったのでイ・ジュニク作品終わったけど続けて観ることに。 こちらはソン・ガンホつながりというべきかもですが冒頭でピーターと英語で話していた…

『王の男』イ・ジュニク

イ・ジュニク監督作品鑑賞シリーズ。これは当時買ったDVDでの鑑賞です。 私はこの映画があまりにも好きで聞けも読みもできない韓国語豪華版セットまで買ってしまいました。 そして何度も何度も観てきました。今回はしばらくぶりの鑑賞になりましたが物語は全…