ガエル記

散策

『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』その1

しばらくアマゾンプライムから離れた間に始まり観られないのに話題だけ耳にして気になっていました。

やっと戻って問題を自分でも確かめたいと思っていますが観始めた途端すっかり入り込んでしまい問題を気にする意味などないようです。

「エルフを黒人俳優が演じるのはおかしい」

とか。

ずっと『ロード・オブ・ザ・リング』を楽しんできましたが黒人俳優が出てなかった、とかまったく気に留めていませんでした。むしろ出ていたようにさえ思えています。

物語が良ければどうでもいい、と書いてしまうと「では出なくてよい」という方向へ持っていこうとする人もいるのでしょうが『ロード・オブ・ザ・リング』がそもそも広大な世界の様々な異形とも思える種族が登場する話なのに「皮膚が黒い人間はいない」と思うの自体がいびつです。

というか「色の黒い奴は出ていけ」とかいうのは作品の中で必ず「嫌なヤツ」キャラなのに自分から「嫌なヤツ」になるとは奇妙な趣味を持っているとしか思えません。

色の黒いエルフなんて普通過ぎる。

緑だとか縞模様だとか発光してたりだったら問題にならなかったのかもしれないのに完全に現実的な色の皮膚だったので咎められているのでしょう。

とにかく自分から悪口をいういじめっ子キャラを選択する人たちが理解しがたい。

 

しかしこの人種問題でかなりの話題になったのは事実で観る予定がなかった人まで気になって鑑賞してしまったのではないでしょうか。

事実私も気になってアマプラに戻って真っ先に鑑賞してしまいましたがあまりにも「普通」でなんのひっかかりも感じられずというと申しわけないですね。普通に良いエルフ役だとして鑑賞しました。他にも黒人キャラは登場していますがどこにどう違和感を感じるべきなのかがわかりません。

そもそもイングランド人はかつて色が黒かった、という話もあります。むしろこの方が正しいのかもしれません。

 

www.bbc.com

 

さて肌の色問題はこのくらいします。

 

この作品の力はなんでしょうか。

名作の続編を作るとかなりの確率で失望してしまうことが多いように思えますがあまりにも最初から面白い。

あの重厚さはそのままに保たれまた別の異質な物語に導かれていきます。

現在では異世界ものが溢れすぎるほどなのにそうしたものとは違うリアルな異世界感に引きずり込まれてしまうのです。

 

皮膚の色がどう、などと言っているモブキャラは放っておいて私たちはこの世界に迷い込んでいきましょうか。