ガエル記

散策

『元禄御畳奉行の日記』上その2&下 横山光輝/原作:神坂次郎

上の途中から続きます。下まで行けるか。 ネタバレしますのでご注意を。 タイトルのとおりこの日記が書かれたのは元禄時代。元禄時代と言えば江戸時代でも最も文化華やかなりし頃というイメージと同時に綱吉の「生類憐みの令」という行き過ぎた悪法が人々を…

『元禄御畳奉行の日記』上 横山光輝/原作:神坂次郎

電子書籍で見つからなかった横山作品のタイトルをamazonで見つけてしまうと注文するしかないではないですか。 しかも本書の紹介文の冒頭が 武芸も役目もそっちのけ、本当の元禄武士は酒と艶の浮世三昧だった…!? とは昨日「横山光輝は武将を選択し名もなき人…

『その名は101』横山光輝

『バビル2世』のいわば続編ですね。 名作でありみんな大好き『バビル2世』と違い本作はその評価は低いようです。 私としても『バビル2世』の時のように一巻ずつ読んで感想というのではなく全体として感想を書いてみようと思っています。 ネタバレしますので…

『バビル2世』横山光輝 ⑫

最終巻です。 ネタバレしますのでご注意を。 理由は不明だが続けて男たちが「おねがいだ。助けてくれ。俺の言うことを聞いてくれ」と訴えながら自分で自分を撃ち抜く、市街で高速で車を走らせぶつかって死んでしまう、という出来事が描かれる。 バビル2世は…

『バビル2世』横山光輝 ⑪ 外伝

ネタバレしますのでご注意を。 バビル2世は登場しない外伝です。 9巻の冒頭、バビル2世がヨミからの攻撃の防御に疲弊し深い傷を負って意識を失い治療中となりバベルの塔のコンピューターも激しい損傷を受けて修理を急ぐもその力は半減していた時期偶然ひとり…

『バビル2世』横山光輝 ⑪

ヨミはF市の地下に作った基地へと戻り部下たちに総攻撃をかけるよう指示した。 サントスというロボットが大量に出動し次々と自衛隊の戦車を破壊していく。自衛隊が対抗したがまったく歯が立たない。 最終兵器的に投入されるロボットが巨大ロボットではなく人…

『バビル2世』横山光輝 ⑩

こういう襲い掛かる男たち、って構図が横山と覚えた。 ネタバレしますのでご注意を。 これはかっこいいっ ヨミはバビル2世に対し大勢のビールス超能力者と戦うことがお前の死を意味すると告げる。 バビル2世自身はその上でエネルギー衝撃波を使うしかない。 …

『バビル2世』横山光輝 ⑨

さて問題の九巻である。読み返しをしているわけだがここで『バビル2世』が突如変わってしまうのだ、と私は感じてしまう。 ネタバレしますのでご注意を。 というのは本作はSFというジャンルを借りた忍者ものと言っていいと思うのだ。横山氏はたぶん白土三平『…

『バビル2世』横山光輝 ⑧

なんかすごくかっこよくなってきたあ。 ネタバレしますのでご注意を。 ヨミはロボットでバビル2世を襲わせロプロスに救いを求めたところにミサイルを撃ち込むという作戦を決行した。 ロプロスは命じられた通りにバビル2世とロデムを庇って覆ったが山が崩れ三…

『バビル2世』横山光輝 ⑦

おお!これはかっこいい。 シビレル。 ところで『バビル2世』の表紙。いつもバビル2世だねえ。ヨミ様がいっこうに使われない・・・少年誌に中年男はダメってことか。(三巻でビリビリされてた、顔は見えないけど。九巻でやっとバビル2世と同時撮影です) ネ…

『バビル2世』横山光輝 ⑥

主人公は追い詰められるほど話は面白くなっていく。 ネタバレしますのでご注意を。 ヨミは超能力増幅器に座ることによってバビル2世の三つのしもべを以前より確実に操作できるようになった。 これによってバビル2世は次々としもべたちに襲われ傷つき流血しな…

『バビル2世』横山光輝 ⑤

表紙が手抜きになってきた感がありますが中身は逆に凄いです。Ⅹで「(アニメ)バビル2世は学生服じゃなくなってからつまらなくなった。戦闘服の方が古臭い」と書かれている方がおられましたがたぶん観ていた世代ほとんどの意見でしょう。私もそうでした。な…

『バビル2世』横山光輝 ④

足の描き方、萩尾望都が影響受けているの感じる。三巻までに比べるとかなり急いで描いた感じだ。忙しかったのだろうな。 ネタバレしますのでご注意を。 局長命令で司令官の監視をしている男。後に出てくる伊賀野氏かと思ったがすぐ殺されるので違った。伊賀…

『バビル2世』横山光輝 ③

読み返しているとバビル2世の強さに惹かれるというより恐ろしくなっていきます。自分が年を取ってしまったから思うのでしょうが。 ネタバレしますのでご注意を。 まあ、wikiを見ても横山氏は『バビル2世』を短期でやめるつもりだったというのでとんでもない…

『バビル2世』横山光輝 ②

何度も同じこと言ってしまうけどバビル2世のかっこよさは格別。しかし読めば読むほどカムイを意識していると確認できます。ううむ仕方ない。(だっていちばんかっこいいんだよカムイは) ネタバレしますのでご注意を。 正義の少年バビル2世はとにかくカッコ…

『バビル2世』横山光輝 ①

去年2023年の6月17日(思えば横山光輝氏誕生日の前日)にこのバビル2世の一巻を買ってそこから横山沼潜行が始まりました。 正直に言うと私は『バビル2世』世界がそれほど共感できなくてバビル2世のかっこよさに頼る読書でしかなかったのですがこの8か月ほど…

『四枚の女王(クイン)』横山光輝

少女ブック1961年1月~7月号 やはり横山光輝描く女の子はかわいい。 60~70年代の荒んだ作品ばかり見ていると心がささくれてしまうのでちょいと癒しを。 しかしあらゆる分野を描いてしまう横山先生。ほんとマンガの達人だったのだと思わされる。 水木しげる…

『影丸と胡蝶 ほか七編』横山光輝時代傑作選 「ムササビ」

「ムササビ」週刊少年キング1969年 同じタイトルで三作品ある・・・・? 連載で三作品あった、ということなのかな。なのに目次では二作品・・・・? いろいろ謎である。と思ってたら2・3作目は末尾に「マンガ少年版①②」と書かれていた。そういうことだったの…

『影丸と胡蝶 ほか七編』横山光輝時代傑作選「仇討ち始末」「ほらふき陣左」「恋と十手とお銀ちゃん」

さてネタバレしますのでご注意を。 「仇討ち始末」増刊漫画サンデー掲載1968年 腕は立つが道場破りをしてはその日の糧にしているだけの貧乏浪人である主人公。 仇討の助太刀をする報酬を受け取るが・・・・という物語。 横山氏はこういうみみっちく生きてい…

『影丸と胡蝶 ほか七編』横山光輝時代傑作選 「影丸と胡蝶」『稚児地蔵』(原作:横溝正史「人形佐七捕物帳」より)

さて本編より先に外伝を読むシリーズ。 ネタバレしますのでご注意を。 別冊マーガレット掲載1964年 おおっと。少女マンガでしたか。だからこんなにヒロインかわいいんだな。 影丸が葉山の里を通る時に必ずある墓に立ち寄るという。その墓には捧げられる花の…

『横山光輝セレクション』「伊賀の影丸」「魔界地帯」「飛猿斬り」

あの『伊賀の影丸』に幻の読み切り作品があった! これはすごく気になる惹句ですなあ。早速中に入りましょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 「伊賀の影丸」 などと言って、す、すみません。横山光輝の代表作の一つなのに私はまだ未読了です。『鉄人28号…

『捨て童子 松平忠輝』横山光輝/原作:隆慶一郎 その2

魅力的な人物を描いてくれたものだと思う。 ネタバレしますのでご注意を。 まだすべて知ったわけではないのだけどここまで読んできた作品でおおまかにいえば横山光輝は戦いの歴史を描いてきた。そしてそれが大きな人気を呼んだと思う。『鉄人28号』しかり『…

『捨て童子 松平忠輝』横山光輝/原作:隆慶一郎 その1

読了してから書いています。同じく横山光輝著『徳川家康』を先に読んでいたのはとても良かった。 ネタバレしますのでご注意を。 これはいわば「もうひとつの徳川家康と忠輝と秀忠」ともいうべき作品なのだ。 ドラマ『如懿伝』を観て『瓔珞』と比較したことが…

江戸川乱歩妖美劇画館 3巻(『白髪鬼』『闇の顔』)横山光輝 その2「闇の顔」

購入した本ではモノクロページでした。 なんか期待してしまうえっちな表紙ですね。 「白髪鬼」が読みたくて購入したのですがこちらの「闇の顔」だけでよければ 別バージョンの本もありました 闇の顔 (講談社漫画文庫) 以下ネタバレしますのでご注意を。 昨日…

江戸川乱歩妖美劇画館 3巻(『白髪鬼』『闇の顔』)横山光輝 その1「白髪鬼」

横山沼にはまりebookでのデジタル作品を購入読み続けてきたのですがさすがに食指が動くものが少なくなってきたと思い涙ぐんでいました。 年末には「まだまだ続く」と書いたばかりなのにとしょげていたら「いやまだたくさんある」ことに気づきました。 世界は…

『武田勝頼』横山光輝/原作:新田次郎 その2 読了

読了しました。 ネタバレしますのでご注意を。 信玄が作り上げた最強の軍団が短期間で恐ろしいほど崩れ落ちていく。 おおよそ9年の間、勝頼27歳から36歳の死亡で壊滅する。 私はほとんど武田家の話を知らないので本作によってのみの感想になるのだけど勝頼の…

『武田勝頼』横山光輝/原作:新田次郎 その1

横山光輝歴史もの、読み始めると止まらなくなる。物凄い中毒性ある。 ネタバレしますのでご注意を。 神の如き威力を持った武田信玄の死後の武田軍。信玄の大きな失敗は後継者を明確にしていなかったことだった。 当然跡を継ぐべき嫡男勝頼は今も最強の武田軍…

『鉄甲軍団』横山光輝 「闇斬り」「かげろう伝」「隻影」「鉄甲軍団」

昨日のシリーズは終わってここからはいつもの横山美形シリーズ。 横山先生はやっぱり美形の方が好きだったのかな・・・基本的には。 ネタバレしますのでご注意を。 「闇斬り」(1976年月間少年ジャンプ) 今までの作品の後だからか主人公の左近くんがまばゆ…

『鉄甲軍団ほか八編』横山光輝 「愛執」「蝦蟇」「浅い川」「死者踊り」「笛」

さてさっそく読んで参りましょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 「愛執」(1969年プレイコミック) 極めて端正な美形主人公が多い横山光輝作品の中で珍しい不細工系主人公。 しかも冒頭から「男は見るからに醜男で背も低く風采があがらなかった」と説明…

『長征』(上下) 横山光輝

『長征』1973年(昭和48年)3月~12月「ビッグコミックオリジナル」連載の初単行本(2004年)すでに廃刊になっており古本にて購入しました。 先日書いた『横山光輝超絶レアコレクション』横山光輝 その3「長征」とは違う作品です。(作品の舞台は同じです)…