ガエル記

散策

『AKIRA』大友克洋

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Netflixでドラマを観ようとしてたのですがつい『AKIRA』に手を伸ばしてしまって始めたらやめられなくなりました。これに比べるとドラマはどうしても退屈してしまいます。

 

当時マンガを(少し)読んでいたりアニメも観ていた私ですが、作品と同じ2019年を自分自身が迎えることができてまた同じようにマンガやアニメを見返したりするなど考えてもみませんでした。

 

昔、多くの読者と同じように私も大友克洋の画力とセンスに参った一人です。あの絵の凄さは誰にでも「特別である」ことがすぐ判らせる力がありました。

しかし彼の物語はその画の魅力ほどわかりやすくはない気がします。判りにくいがために「絵は凄いけど物語はちょっと・・・」と思われながらもあまりそのことを人に言えない、言わせない、というように思えてしまいました。

と、実は今まで思っていたのです。

 

今『AKIRA』を観なおしていてすぐに思ったのは「これほどのセンスと画力がありながら、この世界観の古さはなんだろう」でした。

そして語られる世界がリアルのようでいてリアルではない。画力がゆえにリアルに感じながら虚無的なのです。

というのは世界観が組織立っておらず一部分のみで語られているように思えてくるのですね。

その欠如観が大友克洋の物語性の弱さなのかとも感じたのですが、今こうして観て読んでいると「それでいいのだ」と思えてきました。(バカボンのパパではない)

 

このもやもやとした感覚をもう少しはっきりさせるために少し考えてみます。

考える宣言するより考えてから書けよ、という気もしますが、あえて書いてみました。