ガエル記

散策

『忍者武芸帳 影丸伝』白土三平 その2

この「蛍火」キャラ、白土マンガによく出てくる気がするけど印象強いです。

なぜ主膳の妹なのに忍者なのでしょうか。

 

 


ネタバレしますのでご注意を。

 

 

永禄年間の大飢饉に加え最上伏影の領内において年貢の取り立てはさらに厳しくなりついに土一揆が勃興する。

 

明美と仲良くなり吹毛剣を編み出した重太郎に百舌兵衛からの手紙を届けてくれた子供がいた。子供は手紙を重太郎に渡すと力尽きて死んでしまった。

百舌兵衛の危機を知った重太郎は最上へ戻ることを決意しとめる無風道人と明美を残しひとり故郷へと向かった。

 

百舌兵衛はやはり殺されており重太郎はさらなる仇討ちを誓う。

その日から伏影城の周辺に辻斬りが現れる。辻斬りに問われ城にゆかりの者と答えると誰もかもが斬り殺されてしまうのだ。

 

一方、影丸は雷雲党と名乗る野武士集団の仲間となっていた。

影丸は首領をおだてあげ伏影城の主になれと言い出す。

そして主膳が催す御前試合に現れ五百石で召し抱えられたのだった。

 

が主膳の目的は妹の蛍火に後をつけさせ影丸が辻斬りとわかったら斬り捨てろと命じたのだった。

 

が、蛍火が相対することとなったのは重太郎だった。辻斬りは重太郎だったのだ。

重太郎は無敵の疾風剣で蛍火を斬ろうとするが逆に左腕を斬り落とされてしまう。

これを見ていた影丸もまた蛍火の左腕を斬り落とす。そして重太郎を抱え雷雲党の隠れ家へと運び傷の手当てをした。

そして雷雲党の皆に「この小僧は前城主のせがれだ。雷雲党にとっても大切なお客様だ。面倒を見てやれ」と言いやった。

 

雷雲党にはひとり裏切者がおりこの状況を城に知らせていた。影丸はこれを知った上で画策する。

あえて城の武士たちに雷雲党の隠れ家を攻撃させ皆殺しにして鎧をはぎ武士になりきって伏影城へと攻め入るのだ。

そして影丸は裏切者の松造を爆破し殺害する。

こうして影丸の指揮により重太郎は伏影城へ向かい主膳を討たんとした。

「疾風編」(1959年12月~1960年2月)

 

 

伏影城では雷雲党討伐隊が戻ってきたと酒宴の用意をしてた。

だが出迎えた武士が斬られたのを皮切りに雷雲党は伏影城で暴れ出す。そして重太郎は主膳を探して回った。


しかしそれだけではなかった。

影丸の合図で百姓たちもまた伏影城へとなだれ込んだのだ。

 

重太郎は主膳を見つけるが主膳は後を蛍火に託して逃げ出す。

 

影丸は主膳の袖を引き馬を指さして逃がしてしまう。そして重太郎に「見ろ、主膳が逃げていく」と教え蛍火を引き受けた。

影丸はあっさりと蛍火をいなし「もうよかろう」と言うと中止の合図を送った。

百姓たちは攻撃をやめ油壷を割り伏影城に火を放った。

伏影城は燃え上がり崩れ落ちた。

百姓たちは自分たちを苦しめ続けた城が燃え落ちるのを眺めこれで米を食えるとつぶやく。

はっと見やると影丸の姿はすでになかった。

猟師だけが影丸の後を追った。

 

主膳の後を追った重太郎だったが主膳と言う男はただものではなかった。

高い木に登ったかと思うと注視する重太郎の目を逃れいつの間にか姿を消してしまったのだ。

やむなく戻ってきた重太郎は伏影城が跡形もなく消えてしまったのを知る。

そして猟師もまた影丸の後を追い損ねていた。猟師は戻ってきた重太郎にすべては影丸様の策略だったと告げる。影丸は伏影城を消してしまうために雷雲党と重太郎を利用したのだった。

 

 

永禄九年、大和の国、柳生正木坂の荘

林崎甚助の再登場。柳生新陰流道場の柳生宗厳(のちの石舟斎)を訪ねるが留守。その門弟らに取り囲まれるが「これが天下の柳生か」とつぶやくと周囲の木々を斬り捨て去っていく。

 

そして数里離れた月ヶ瀬の峡谷において重太郎とその柳生宗厳が一騎打ちを行っていた。腕は重太郎の方が上だったが氷柱が重太郎の肩に落ちてきたことで命拾いをする。

柳生宗厳は重太郎を抱えて去る。

 

以前、重太郎と別れた明美は太郎という男児と共に旅をしていた。

ふたりに目を付けた追いはぎが近づいてきたが明美は太郎を連れて社に隠れる。ここにあの無風道人がおり二人を助ける。

無風道人はふたりと共に旅を続ける。

 

重太郎から逃げ延びた主膳は妹の蛍火相手に忍術の修行をしていた。

主膳はもともと忍者だったのだが殿様暮らしで腕を落としてしまっていたのだ。

だが主膳は忍者では終わらぬと考えていた。仲間を殺し伊賀を抜けてきたのは忍者の負わされた宿命から逃れるためだった。しかし今は手に入れた伏影城も失い落ちぶれた己を嘆くしかなかった。

 

ここから思わぬ展開となっていく。

主膳はあの明智光秀と瓜二つの容貌だったのだ。

偶然ひとりで通りかかった明智光秀と戦う羽目になり主膳は明智光秀を殺しその衣服を着てなりすましたのだった。

 

尾張清洲城に向かう主膳明智光秀

信長公に呼ばれ、慄きながら受け答えする。

そして光秀になり切り酒を飲んでいる時、目の前に明智光秀が現れるのだ。

実は主膳が斬ったのは明智光秀の影武者だったのだ。

こうして主膳は明智光秀の影武者として生きることになる。