前回「物語はここから」と書きましたがまさしく!歴史的な物語はここから始まり壮絶な展開となっていきます。
それにしても凄まじい面白さです。ここまで面白い作品というのは滅多にないのでは。
映画でやればあまりにもばたばたしてしまうでしょうし連続ドラマだからこそできる醍醐味がありますね。
ネタバレしますのでご注意を。
67話から71話まで、とは思えないほど中身が濃いです。
「戊戌の変法」はほんの100日ほどで失敗に終わってしまう。(そのため百日維新と呼ばれる)
欽差大臣にまでなり剛腕をふるった呉沢は追われる身となる。
群王の配下である趙白石は親友である呉沢を捕えようと呉家に迫るが叔父から息子を頼まれた周瑩は一計を案じ呉沢を逃がす。
以前は単純な正義の人であった趙ダーレンが今は腹黒さを潜めた警官であるのがかっこいい。やはり大人になるとはこういうことですな。
周瑩たちの新しい織物工場が勢いを見せる傍ら、杜明礼が運営を任された織布局工場の業績は低下していく。
焦った杜明礼は沈四海の銭荘(銀行)から極端な融資を命じそのため沈四海は預金に高い利子をつけることで金を集める、というハイリスクな手段をとる。
沈家への復讐をにらむ周瑩は一気に攻撃に出た。
沈四海の銭荘へ大口の預金をして安心させ一方で大量の生糸の取引をする。
沈四海が油断したところで預金をすべて下ろしたいと申し出、一方生糸の取引がキャンセルされてしまう。
すべてが裏目に出た沈四海の銭荘の狼狽ぶりを感じた預金客が次々と払い戻しに訪れ銭荘は応じきれないという羽目に陥る。
追い詰められた沈四海は杜明礼に救援を頼むが杜明礼はそれをすげなく断るだけでなく群王の預金を真っ先に払えと脅迫するのだった。
年老い痩せた沈四海が痛々しいのですが周瑩の味方をするだけでなく沈四海が追いつめられていくのをいっそこの方が良い、と見守りました。
こんな状態でも彼の妻は寄り添ってくれる優しい女性でありマジで沈四海早く杜明礼と手を切ったがいいよとしか思えません。
そんな時に周瑩の前に現れたのが身を隠した沈星移でした。父・沈四海を救うために身の危険を冒したのです。
まだ沈星移の真意を知らない周瑩は彼に冷たく当たりますが趙白石が彼を追ってきたと知った途端沈星移をかばい逃がすのでした。
金づるの沈四海が没落することは杜明礼の失脚につながります。
資金繰りがどうにもならなくなった杜明礼は手持ちの金で査坤と逃亡する決意をしますがそこに現れた群王直属の部下・文氏らと争いになり杜明礼を守る査坤が命を落とします。
ひとり逃げ延びた杜明礼を匿ったのはかつて趙白石の師だった張長清。
しかし張長清はその杜明礼を切り札にして趙白石に群王への口利きを依頼するのでした。
正義の心を隠し群王の配下として任務する趙白石はこれを利用し杜明礼と張長清両方を死に追いやります。
傷を負った文氏を通じてよりいっそう群王への忠心を強めます。
呉聘を殺害した査坤と呉家東院を陥れた杜明礼の死を知っても周瑩はさらにその上に立つ群王を廃しなければなにもならない、と言い放ちます。
それを聞いた趙白石は周瑩を諫めますが周瑩は「あなたは昔からまったく変わっていない」と皮肉をこめるのでした。
そして沈四海は群王に捕獲されてしまう。
趙白石は「かつて呉家を襲った悲劇が沈家で繰り返された」とつぶやく。
沈四海は斬首され妻は自害した。
残された沈家の屋敷は無残に寂れ果てている。その門にはいる一人の姿があった。
沈四海は群王へ大金を収め続けるために辛苦をなめ続けました。
そしてその結果は斬首、妻の自害。
むろん杜明礼も同じようなものです。
これもまた同じく現在の日本社会と重ねてしまいます。
まったく同じだと思ってしまうのです。