ガエル記

散策

『クイーンズ・ギャンビット』その3

ずるいずるいこんなん絶対感動するやん。『スラムダンク』なみに感動するやん(観てないけどたぶんそう)

 

  

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

 

すっかりはまって鑑賞終了しました。全7話。正直言ってもう少し観ていたかった。

最初は少し高飛車すぎないかと思っていた(チェスだけに)ベスの話が進むほどに彼女が成長するほどに魅入られてしまった。

 

天才すぎるほどの天才だけど愛情の縁は薄くて最も好きになった男性は(たぶん)ゲイで恋人関係にはなれなかった。

関係を持てた男たちともいつしか別れてしまった。

 

でもベスがチェス界の最高峰たるソ連のチェス王ボルコフとの決戦の時、ベスの思い人であるタウンズが記者として目の前に現れる。そしてこれまでベスと戦いまた愛してきた男たちがボルコフに勝つための作戦を考えベスに授けた。

 

でもベスにとってもっとも強い信頼と愛情を与えてくれたのは孤児院で共にすごした黒人のジョリーンだった。

彼女は裕福でもないのに貯金した学費をベスのソ連旅費にと貸してくれたのだ。

優勝したベスの報を聞いて涙するジョリーンの姿は『炎のランナー』のコーチに似ているように感じました。

 

大感動の大団円。そして帰国の道でベスはお目付け役の小言を遮断して車を降り道端でチェスをしている老人たちとチェスを始めるのでした。

今でもそうだけど当時アメリカは共産主義を蛇蝎の如くに嫌っていて本作でも教会団体がベスに対して「共産主義の蔓延を防ぐために主張してくれ」と旅費の交換条件として要求する場面があります。それに反感を持ったベスは旅費を返して困ることになるわけですがそれほど共産主義ソビエト連邦への敵意がありました。

そしてラスト、そうしたイデオロギーの敵国であるソ連の男たちと大好きなチェスで親交を深めるベスという構図は当時にドラマ化していたら「アカ」と呼ばれて投獄ものだったでしょうか。(映像化されているのかな)

しかし現在少なくともネットフリックスというネット配信ドラマであれば可能になったということでしょうか。

 

原作小説是非読んでみたいと思っています。このドラマ通りなのなら80年代に凄いことだと思いますがむしろその頃のほうがあたりまえにあったのかもしれませんね。

とにかく楽しいドラマでした。私としては『ベター・コール・ソウル』『ブレイキング・バッド』より心底楽しんだような気もします。こういう比較はあまり良くないかもしれませんが。