3巻に入ります。
ネタバレしますのでご注意を。
薔薇柄のおふとん。横山マンガの人物は男も綺麗に寝てるのがデフォルト。
このキャラで言う言葉ではないかもしれないがこの時期の横山光輝キャラ造形がたまらなく好きになってしまってこれなしには生きていけない気がする。
なんなんだろう、この魅力は。
などと書いてる場合ではない。この佐倉藩江戸屋敷に暮らしている堀田正信は悪霊にとりつかれ苦しんでいた。
父である前領主は徳川家光に寵愛され佐倉藩の初代領主となったがその息子・堀田正信は幕府から目をかけられることがなかった。その焦りから軍備を整えることに注目し年貢を重くしたため餓死者が続出したのだ。
その重い年貢に苦しむ農民の代表として選ばれた佐倉宗五郎が将軍に直訴したことことから堀田正信は彼を処刑した。
その祟りとして毎夜宗五郎が悪霊となって正信を苦しめているのだった。
この目が好きなんだけど、猫っぽいのかな。
と、とにかく堀田正信にとりついた(とされる)宗五郎の霊をお祓いして欲しいと時の行者は家老に頼まれるのだ。
しかしその後行者は毒殺を計られる。
行者は「消えていく大名というのはこんなものなんだな」と冷笑して去っていく。
堀田正信さん、気の毒でもある。そう悪い人でもないのだから「良きメンター」の存在があればこんな馬鹿な悪政をとらなかったのではとも思える。
がそんな人材が都合よくあらわれることはないのだろう。
「浄瑠璃坂の仇討」
前回と真逆のあっぱれな嫡子の物語だ。江戸時代三大仇討ちのひとつだという。
奥平源八は十代半ば。まだ前髪のある少年だが切腹した父の仇敵である奥平隼人を討たんと同志らと行動していた。
植木屋に身をやつした甚作はついに仇敵を見つける。甚作は殺害されるが死の間際に大久保屋敷に隼人がかくまわれていると行者に源八への言付けを願う。
横山氏の描く前髪少年のりりしさよ。
行者はこの事件に巻き込まれ源八に隼人の居場所を告げる。
なぜなら行者はこの事件が「浄瑠璃坂」で行われたことを知っているからだ。
仇討ちは果たされた。
「火付盗賊改め」
続けて前髪少年登場。
こちらの少年もりりしい。
少年の名は助六郎。火付盗賊改め中山勘解由の跡継ぎである。
彼の日課は父が下手人の首を刎ねるのをみることだった。
父は鬼勘解由と呼ばれるほど苛烈な取り締まりを行い次々と疑わしい者の首を刎ねることで江戸の治安を守っていった。
が、若い助六郎はそんな父の正義に疑問を持っていたのだ。
そんな助六郎の慰めは川辺で釣り糸を垂れぼんやりと思いを馳せることそして愛らしい少女お光との語らいのひとときだった。
助六郎は跡継ぎではあるが父の仕事を受け継ぐことが躊躇われていた。
父の正義に納得できなかったのだ。
が、そんな疑問は悲しい現実によって消失してしまう。
父の部下に追われていた婦女暴行犯と疑われた男を助六郎はつい庇って逃がしてしまうのだ。
父への疑問が反抗心を起こさせたのだろう。
しかしこの男は本物の婦女暴行犯であり助六郎の側にいたお光に目をつけ暴行殺害したのである。
これまで人を斬れなかった助六郎は怒りでこの男を斬り捨てた。
そして父の跡を継ぐ決心をしたのだ。
「お光ちゃんといっしょにいままでのわたしも死にました」