1971年「少女コミック」3・4合併号(1970年12月)
でこれが突き進む少女と逡巡する少年の物語。
掲載誌が講談社「なかよし」から小学館「少女コミック」へと移っている。
ネタバレします。
少年と少女のほのかな恋心をアイススケートをモチーフにして可憐に描いた短編。
なのに雑駁に書いて申し訳ないが本作で萩尾作品の少女と少年の描き方がわかる。
少女ベルはその名のように美しく愛らしい少女だ。
そんなベルをひと目見て好きになってしまうマイクも同じくらい繊細に美しい少年でもある。
本作は視点がどちらかに定まってはおらずふたりの心情を交互に描いていく。
ベルの母親は萩尾作品定番の厳しく口やかましい性格で12歳の娘が見ず知らずの男子と仲良くなったことを咎め戒める。
萩尾描く少女たるベルは母親の小言になど負けはしない。
しかしマイクからキスされそうになったことで怖くなり逃げ出してしまうのだ。
最初は積極的だったのに、急ぎすぎたと感じたマイクはすっかり怯え切ってしまうのだ。
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いや笑っちゃいけないが完全に少年マイクの方がビビりまくっているのがおもしろい。
物語はふたりがそれぞれに「今度会ったら」と思うところで終わる。美しいENDである。
気の強い少女と思い迷う少年というモチーフはやはり『スター・レッド』でも繰り返される。
少女マンガ世界というか、女子が読むのに心地よい設定なのである。