1991年「プチフラワー」5月号~1992年3月号
萩尾望都バレエシリーズのあちこちに出演しているレヴィ。
ちらりとしか出なくても高いバレエ能力を持ち飄々としたカッコよさの彼です。
そんなレヴィが主人公となった作品です。
ネタバレします。
主人公となったレヴィはまだ17歳の未熟な悩める少年として登場する。
見た目の綺麗さはそのままだが大人になって見せる落ち着きはこの頃にはまだなく思い通りにならない自分自身と他人との関係性にいつも戸惑い苛立っている。
痩せっぽちのレヴィの夢は強くがっちりとした身体と精神を持つことだ。
本作で我々はそんなレヴィの理想を求めて苦しむ様を見ることができるのだ。
不眠症のレヴィがやっと眠り込んでいたところを起こしてしまう男モリスとルームシェアすることとなる。
モリスにはミリーという恋人がいてふたりして頼りないレヴィを甲斐甲斐しく世話していくのだがレヴィにはそれがうるさくて仕方ない。
しかもミリーから恋を打ち明けられやむなくレヴィはその告白を受け取ってしまう。
恋人だったモリスは怒るがレヴィの言い訳を聞いてそれを「レヴィがモリスに思いを寄せていたからだ」と勘違いしその思いを受け止めたいとモリスからもアプローチされてしまう。
男女に言い寄られたレヴィは「ほっといてくれ」と逃げ出す。
そして「感謝知らずの男になりたい」と願うのだった。
レヴィには精神を病み不潔恐怖症に苦しみ入退院を繰り返している兄ショーンがいる。
そして登場しないがそんな兄弟に失望して泣いている母親がいるという。
レヴィは兄ショーンとは良い関係を持っている。
そして理想の男としてシグ。理想の女としてドーラが登場する。どちらも強くたくましく大きい。