
ネタバレします。
第3章 穴門
穴門(あなと)では武振熊が海人たちの襲来を待ち構えていたが子犬を連れてきたミケツと出会う。
なんの邪念もなく問いかけるミケツに武振熊は拍子抜けする。
だがその背後には銛を持った磯良と百済将軍がいた。
小島で浜子はトヨと和やかに過ごしていた。
だがトヨは「あたしの体はサイモチの神のもの」と言って許さない。
彼女の姉はかつて乱暴者に汚され自ら海に入ってサイモチの神にその身を差し出したという。
ここでトヨが言う。
「常世は生きた人の行くべきところではない」
ではオオタラシとミケツが目指している常世とは結局死んでいくことなのではないか。
百済将軍と息長は船出して穴門のサイモチの巫女と対峙する。
将軍は今回もたじろがずにサイモチの巫女を撃つが息長はその力を怖れて船を戻した。
そこへ隼人の船が現れサイモチの巫女が持つ海神の玉を奪おうとするが突如船が破壊され隼人達は海に放り出される。おっちょこちょいだ。
(隼人・・・鹿児島の男たちはどのマンガでもおもしろいな。『ゴールデンカムイ』の鯉登しかり『ドリフターズ』の豊久しかり)
トヨは突然いなくなり傷だらけになってもどってきた。
浜子は一緒に島を出て人里で暮らそうというが「大勢の人が祟りで死ぬ」とトヨは抗う。
巫女オオタラシは神懸かりをしサイモチの神を鎮める者を決める。
それは磯良であった。
磯良は頭に海草を被り「おれはアドベのイソラとなる」と誓う。
第4章 荒ぶる神
荒れ狂う海を磯良は小舟に乗って出る。
目指すは潮満玉の島。
そこには今隼人ら集団とトヨそして浜子がおり、そこへ磯良もまた加わったのだ。
潮が引き海中から現れた洞窟へとトヨとホムタチが入っていく。
磯良もまたそこへ入る。
待っていたのはサイモチの神(シュモクザメ)であった。
磯良は臆せず戦う。サイモチの神に天の逆矛を突き立てた。
陸でも百済将軍と武振熊が戦っていた。
ミケツは「ぼくの剣は?」と叫ぶや七枝刀を取り岡の上へと走り人々もそれを追った。
磯良の前に謎の女性があらわれる。
二巻の終り。
なんという物語だろう。
この国の遠くいにしえの時にきっとこのような物語があったのだろう。
誰もみな常世の国を願ったのだろう。
現在でもまた皆その国を願う。
しかしそれはどのような国なのだろう。