ガエル記

散策

『ファンタスティック・プラネット』ルネ・ラルー

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このアニメは観てみなければ説明などできないように思えます。

とりあえずは上の画像でとんでもないイメージの世界を描いたものとして想像してみてください。

ボッシュの世界をアニメにしたというような感じでしょうか。

おぞましく感じながらも人間という生物は他の生物に同じことをしているのだと考えてしまいます。

動物を飼いならし支配している「人間」というものが逆の立場になったらどうであるかという物語ですが、ただそれだけでない美しさを感じてしまうのも不思議です。

特に最初「人間」をペットとして大切に可愛がってくれた少女がとても愛らしく見えてきてしまうのですね。けったいな服を着せられて同じ種族である他の人間たちから大笑いされてしまうのも微笑ましいのでした。(いや微笑ましくはないんですけど)

 

フランス・チェコの合作アニメ作品、ということですがこうしたアニメを観るたびに日本のアニメ作品にはこうした美しさやイマジネーションを求めることはかなわないのだろうなと思ってしまうのですが、それは商業的ではない、ということよりも独特の世界観そして社会を創造するのが苦手だからと思えます。

というか、日本の社会そのものはかなりおぞましい独特のものに思えるので変に創造などせず、そのままの日本社会を忠実に再現すれば充分にもしくは本作以上に理解不能な世界を描き出せるように思えます。

 

ニッポン・プラネットというトンデモ世界をアニメ化してはどうでしょうか。

 

などということを考えてしまうほどに面白い本作『ファンタスティック・プラネット』でありました。