最終話です。
ネタバレします。

「大いなる復活」
マッドメンはコドワが森の中で横たわりナミコがひとり森の中を彷徨い儀礼的に死んでナミテとして生まれ変わったことを知った。
ナミテとなった波子は村の女たちと共にナラモの居場所へと戻る。
元通りにしてもらった土偶を受け取り代わりに大量の食べ物を放った。
そして逃げ出したのである。
ナラモたちが村に向かっていくのを見た波子はついてきた少年ポコプに「村の女たちに”指の股”へ逃げるように伝えて」と言いつける。
土偶が元通りになったため横たわっていたコドワは起き上がり、そして動き出した。
何の力もない普通の少女である波子がコドワを救う物語となっていく。
教授側でも活躍するのはミス・バートンである。
男教授の方は天然ガスを発見して大喜びである。
だがこの混乱の中で峰隼人はひとり『オンゴロ』の謎を解く。
『オンゴロ』は『オノゴロ島』だったのだ。
神話は繰り返されなければならぬ、と大いなる者は告げたがコドワは「おれの神話は自分で作る」と答え波子の手を引いて走り出した。
そして一人残ってしまった峰隼人はデマたちと会話し人肉を食って生き延びる。
隼人は地底の海とも大きな川ともつかない岸辺でその果てを眺めて決意する。
大きな骨を一つ選びそれを船にして地底の海を漕ぎ出したのである。
それらのことを手帳に書き小さな骨に入れて流したのだがその骨は不思議なことにオーストラリアの牧場の真ん中から降りた大空洞の地底湖に流れ着いたのだった。
その骨を受け取ったミス・バートンは中に入った手帳の文字を峰のものだと判じた。
さて石油が発見されてから、ニューギニアのマサライたちの生活はすっかり変わった。マサライたちの村は今や文明の最先端にあった。
皆が高賃金で雇われていた。
ミス・バートンは今も子供たちの学校で働いている。
が、森の中を歩く時コドワとナミコの姿を見た。
彼らがふたり以前と変わらぬ生活をしている姿を。
完
長らく放りっぱなしにしていた『マッドメンシリーズ』「オンゴロの仮面」以降を読み終えました。
今頃になって世界地図を眺めてみましたが

ニューギニアというのは海を隔てて日本との間には何もない直線上に隣り合った場所になるのだと気づきました。
確かにこれでは古になんらかのつながりがあるのではないかと考えてしまいそうですが実際に描いてしまう諸星大二郎の想像力と創造力に圧倒されてしまうしかありません。
最初はコドワの一方的な魔性に見惚れましたが途中から彼は寝込んでしまい、波子の活躍を見守ることになっていきます。
そして峰隼人。
最初はちょっとイケメン風なだけのチャラ男ですぐ死んじゃうかと思いきやなんと彼が世界の秘密を見に行く決心をする、という一番肝の据わった男でありました。
人肉まで食らって生き延びるという。
そしてミス・バートン。
結局彼女が物語の語り手となってしまいました。ハリウッド映画化求む。
ニューギニアに行った経験もなく描かれた本作ですが2014年諸星氏はついにパプアニューギニアを取材旅行し描き下ろしマンガを発表されました。
自記事ではそちらを先に書いております。
ご本人の言葉で「見ないで描いたからこそ自由に発想できた」とのことですね。
「カーゴカルト」という思考行動もこの作品で初めて知りました。「無知な迷信」とみるべきではなく異質の文化との急激な接触の結果起こる一種の世直し運動である、と先に書かれることで作品の質の高さを思い知ります。
人間は生きるために何らかの思考行動を起こしてしまうのですね。
それは先に記事にした『増殖するシャーマン』につながる考え方だと思います。