1962年「東映」
今回の「U-NEXT」配信鑑賞で最も「観られて良かった」となったのは本作である。
昨日まで残りの期間消化に思案していたのだが本作に気付いて慌てた。
「これのこと、忘れていた」
とはいえ本作が面白いかどうかは観てみなければわからない。すぐに鑑賞した。
結果、面白さに唸ったのだが何故本作がもっと鑑賞しやすい状態でないのか。せめて1989年製作五社英雄監督作品と並んで配信されてほしい傑作だと思う。
こんな映画が埋もれているということは日本映画の中には語られない名作がもっとあるのではないか。
口惜しい気がする。
ネタバレします。
本作品の魅力はなんといっても今観ても居ても立っても居られないハラハラしてしまうサスペンスにある。いや今現在ここまで手に汗握る展開の映画はあるんだろうか。(感じたことない)
モノクロ映画、さらに照明のせいというかおかげもあるのかもしれないがいつもなんとなく薄暗い室内での凶行は奇妙な現実性がある。
モノクロなのにそこにいるかのようだ。
『226』そして現在ではどうしても青年将校側からこの事件を追うことが多い。
「貧苦にあえぐ日本国民を思いやむにやまれず彼らは立ち上がったのだ」という共感がそうさせる。
本作では彼らは明らかに思い上がった若い軍人たちとして描かれている。
「自分たちは正義である」という傲慢さが行動に出る。
近年で言えば彼らはむしろ「オウム真理教」の行動に近いのだ。そう思うとわかりやすい。
映画はシンプルに青年将校が首相官邸を襲うところから始まりこれを知った秘書官迫水久常=速水が事態に奔走する姿が描かれていく。
(映画では名前が似た名前に変更されているが面倒なので本名で書いていく)(どっちがいいかよくわからないが)
昭和11年2月25日午後11時。
国会議事堂の裏手に総理大臣官邸がある。
当時の首相である岡田啓介はその日本間で寝起きしていた。
東京には珍しい大雪が降ったということで警備が薄くなっていた、ということが語られる。
2月26日早朝に青年将校の一群が首相官邸を襲う。将校たちの決起は噂されてはいたが岡田首相は特に怖れることもなく逃げることもしなかったために官邸で就寝していた。
当時の青年将校たちは岡田首相の顔立ちを正確には知らなかった。
そのため官邸にいた別の初老男性を追い詰めて問うと彼が否定しなかったのでそのまま銃殺してしまうのだ。
後にその男性は岡田首相の妹婿でありながら「いかにも岡田である」と身代わりになったとわかる。
首相の秘書官迫水はこの状態を察知して事態収拾のために奔走する。さらに迫水の妻は岡田啓介の次女であり彼女もまた父親の安否を気遣っていた。
物語はこの迫水の行動を追っていくことになる。
この作品は軽く流す気がしない。
明日もこの先を続けたい。