噂にたがわずとんでもない面白さでした。堪能しました。
ネタバレしますのでご注意を。
観終わったばかりで何も整理できてはいませんがとにかく面白かったです。
人情もの的な映画なのかと思っていたらむしろ昔懐かしいコンゲームを思わせる流れになっていてしかもそれだけには終わらない破壊力がありました。
これほど丹念に練られた脚本は悲しいかな今の日本の映画界にはほとんどというかまったくないように思えます。
ただ策略を作っただけでなく愛情や感情を強く感じます。
前もって金持ち=悪、貧乏=善という図式にはなっていない、という情報を得ていましたが家族間の愛情についてもそれぞれの愛情がある、という描き方も興味深いものでした。
裕福な地上の家族に寄生しようとする主人公である貧乏な半地下の家族のほかにさらに苦しい生活をしている完地下の家族がいるとは、面白いアイディアです。
それにしても貧乏の描写の強烈さがものすごい。いちいち比較して申し訳ないですが日本の映画監督でここまで迫力ある貧乏は描けそうにありません。
息子の父親への尊敬の念も強烈です。
匂いをけなされることへの誇りがすべてを決めてしまいました。
やはり尊厳を貶めることほど恐ろしいことはありません。