
先日読んだ『少年ロケット部隊』全七巻という長さもあってショックはぬぐい切れず。
本作も同じ1960年の作品ということで恐る恐るページを開けましたが杞憂でしたとまず書いておきたい。
表紙に出てるのでネタバレにはならないと思うけど「アカエイ」が飛びます。アカエイが飛ぶというと『鉄人28号』6巻が「空飛ぶアカエイ軍団」(1958年)7巻が「難敵アカエイ & モンスター」(1959年)でした。
そして『夜光島魔人』は1960年で再びアカエイが飛ぶと。
そもそもアカエイは飛ばないのですが、「飛ぶアカエイ」は横山先生にとってお気に入りだったのでしょうか。
ネタバレしますのでご注意を。

まず心躍るページ。
海の中、鮫の群れの中から一匹だけが群れを離れていく。
と思ったらその鮫の中から男性の姿が現れ「たすかったぞ」と言いながら浜に上がった。
が、次の瞬間その男は空飛ぶアカエイに追われ逃げ出した。
アカエイはシャーッという音と共に赤い液体を口から放出する。男は「ウワッ」と叫び倒れ込む。
この叫び声を聞いて走ってきたのが山形兄弟だった。
兄の方が倒れた男を抱え起こすと男は「夜光島」と言い残して死んでしまう。
その時弟の三郎は夜空にアカエイが飛んでいくのを見つける慌てて手に持っていたカメラのシャッターを押す。
兄・武は急いで警察に知らせた。
余談だけど大友克洋『AKIRA』の山形ってここから?あの「山形ァ」の。
『AKIRA』の登場人物名が横山光輝『鉄人28号』から選ばれているというのは有名だけど「山形」っていたんだっけ。いなかったような。むむむ。
余談終わり。
というわけで本作は山形兄弟の活躍で進む。
山形兄弟見た目は村雨健次と金田正太郎クンである。いささか複雑な。

しかし村雨健次と正太郎クンをくっつけたい方々にここで仲良く暮らしていることを教えてあげたい。
本作の正太郎クンこと山形三郎クンも少年の魅力たっぷりである。
まず生意気な(失礼)正太郎クンよりもぐんと素直で良い子である(ハハハ)
お兄さん思いで可愛らしい。

三郎クンの足。かわいすぎてあざとい。ルーズソックスもあざといっ。
しかしラジオがでかい。こんなでかいラジオあるの?
あしがあしがかわいい。向きがかわいい。
ふたりがでかいラジオに気を取られている間に空飛ぶアカエイが忍び込み現像室の写真を盗もうとしていた。
ふたりは気配に気づき三郎は鞭(!)でアカエイを打ちのめした。(乱暴なのは一緒だった)


鞭を操る小学生っている?
が、アカエイに写真を奪われ逃げられてしまう。さらにアカエイは殺人事件の捜査にきていた警察を襲い殺害する。
山形兄弟が警察の調査を受け「アカエイが空を飛んできた」と答えると警察は笑って信じない。
しかしここで「その話を信じよう」と現れたのは村雨けいじだった。(この「けいじ」はたぶん「刑事」のほうだろうな)

ここでは村雨兄弟は兄弟ではなく村雨健次と正太郎が兄弟・・・ややこしや。
ふたりは村雨けいじに「夜光島」の話をする。
しかし警察が去った後ふたりでアカエイの正体を調べようと出かけるのだった。鞭を持って。
うーむ不思議だねえ。
『少年ロケット部隊』の方が大きく本格的な題材のようでいて緊迫感はこちらの小さな作品の方がはるかに強く感じられる。
『少年ロケット部隊』と本作『夜光島魔人』実は内容がまったく同じなのだ。
怪しい「なにか」(あちらでは光こちらではアカエイ)を発見しそれが何かを突き止めようとした主人公がその怪しい者に捕まりその正体が宇宙人だとわかる。
というのが両作品のあらすじなのだが『少年ロケット部隊』では明らかに氏の力量が足りなかった、と思われる。方向性が間違っていたのかもしれない。
一方本作『夜光島魔人』はこの当時の横山氏にぴったり合った題材に思える。
空飛ぶアカエイという突拍子の無さもその種明かしも兄弟で謎を解いていこうという趣旨も楽しい。アメリカ映画でありそうな題材だし兄弟で解決してしまおうぜというノリの良さもアメリカ的だ。(日本人は普通「お上に任せよう」で終わるから)
本作はアニメにしてほしい。実写でも良いけど三郎クンのルーズソックスにはこだわってほしい。

萌えの塊のような四コマ。三郎の鞭打ちでのけぞるアカエイの口がかわいい。3コマ目のアカエイの目がかわいい。兄弟で怪物と戦ってるというのがモエモエではないか。
三郎クンのあしぃ。
村雨けいじ(ひらがなが気になる)はこれを覗き見てふたりがアカエイに連れされられるのを追跡した。
モーターボートに乗った村雨けいじは山形兄弟がアカエイによって奇妙な形の島に運ばれたのを目撃する。
夜光島で兄弟は奇妙な男たちに囲まれ地下へ連れて行かれる。そこには大きな工場になっており、機械類の中で作業している者たちがいた。兄弟はここで働かされるのだ。ここは兵器工場らしい。
うむこういうのが怖くておもしろい。
ってこの場面を見て『スターウォーズ』スピンオフドラマ『キャシアン・アンドー』思い出してしまう。大好きなのだ、あれ。
工場で三郎は監視員に鞭打たれた。武は怒り

そのとおりなんだけどそのこどもはアカエイむちでなぐってましたよ、アニキ。それどころか。

互いの事しか考えてない兄弟だ。

いいのか、そんな甘いことで。ひらがなばかりで読みにくい。
ここで村雨けいじが島にやっと上陸したがそのまま捕まってしまう。
三郎たちは工場の作業員のひとりからアカエイの秘密を教えられる。

しかも夜光島に住む主は世界征服を狙っているというのだ。
ふむふむなるほど。
仲良しな健次と正太郎、じゃない山形兄弟だ。
村雨けいじが兄弟と同じように兵器工場で働かされることになる。しかし村雨は隙をついて海に飛び込み脱出した。(ここで『キャシアン』思い出した)
更に村雨はアカエイを着込んで(変な言い回しだけど)空を飛んで逃げ出す。島の兵士たちもこれを追った。
夜光島にいる謎の兵士たちが村雨に注目している間に山形兄弟は目撃したロケットのようなものを作っている工場へと急いだ。
武は巨大なロケットが作られているのを見る。
しかしふたりの背後には夜光島の隊長が立っていた。
続く。
一巻しかないのに続くになってしまった。
おもしろいと長くかかってしまうのだ。