ガエル記

散策

劇場版『Gのレコンギスタ 』Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 富野由悠季

アマゾンプライムに『Gのレコンギスタ劇場版』があったため鑑賞。

TV放送当時「おもしろくない」などという批判がかなりあった記憶があります。ファースト世代ほどその傾向があったようです。

私は思いきりファースト世代しかもリアルタイム鑑賞していた筋金入りでもちろんファーストが大好きですがにもかかわらず『Gレコ』初見から「なんてチャーミングなアニメなんだ!」とのめりこんだ派です。

もしかしたら本作は女性陣には入りやすく男性陣には入りにくいのかもしれません。「おもしろくない」と批判していたのは私の記憶では男性ばかりでしたし。

 

それから何度となく観なおしているのですが再鑑賞した方がよりよくわかるようになりますます面白く感じています。

というのは『Gレコ』はファーストに比べると比較できないほど複雑に入り組んだ感覚があるのですよね。

「ファースト」はキャラクターがシンプルで明瞭で代わりに物語が複雑というほどではないですがシリアスで硬いものがあり悲劇と感動がはっきりと示されています。

『Gレコ』は今風になっていてキャラクター個性がわかりにくく物語が平板に思えます。ファースト世代には物足りなく感じられるのでしょうが実はその分リアルな面白さがあります。ファーストがわかりやすい初級編なら『Gレコ』はややこしい上級編と言えます。

シリアスだったファーストが子供っぽいなら『Gレコ』は笑いが多いのも大人の作品と感じられるのです。

おふざけを楽しむのは大人なのです。

しかも観なおしていると『Gレコ』が「ファースト」を上書きしているのがわかります。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

ひきこもりでいじけていたアムロ・レイは外交的で明るいベルリ・ゼナムに成長しました。赤い縮れ毛が黒い直毛長髪に変化してもいますwアムロの話し方とまったく違うのが面白いです。

アムロも好きでしたが今はやはりベルリに惹かれます。この明るさはいいなあ。

 

アイーダ・スルガンはマチルダさんとセイラさんを掛け合わせた感じ。姫様で兵士でもある。髪の色はマチルダさんゆずりです。

人格的にはセイラ・マスを思わせます。

しかしそう思うとベルリの設定はアムロとシャアを掛け合わせているのかもですね。

ところで今回観ててきづいたのですが『SPY✖FAMILY』のアーニャはアイーダの髪形を模していますね。髪飾りと髪の色・質がそっくりです。アーニャの決め台詞「チチ!」はベルの「ハハ?」からですね。

 

ラライヤはどう考えてもララァですよね。名前もそっくりだしw浅黒の皮膚でインド的で凄い能力を持つ、というどこまでもララァそのままです。

あのかわいそうなララァがラライヤとなって生まれ変わったのは嬉しいです。最初はやっぱり気の毒ですが。

神秘的な美しさを持つ、というのもそのままのイメージです。

 

ノレド・ナグ。本作で最初からベルのガールフレンドという設定からしてあきらかにフラウ・ボウですが時代的にダサい女役をやらされたフラウと比べると彼女もさっぱりとしたようです。

それでも割を食ってる気もしますが。

 

クンパル・シータはどうしたってシャアからでしょうがそれは外観的なもので人格設定はほとんど違うので。

シャアはさすがに移し替えるのは出来なかったと思いますしそれでいうならアムロとベルは全然違う。アムロとシャアは再現できるものではないのです。

 

その他のキャラ比較はいろいろできるでしょうがこの辺で。

 

富野氏自身この作品で『ガンダム』を越えた、と言われていますが高齢になって自分の作品を越えたものを作れるという才能に驚きます。

いわばアムロやシャアという絶対的なヒーローを葬りファーストの呪いを解放させてしまったと私には思えました。

 

後、Ⅳ・Ⅴがあるのかな。楽しみです。