ガエル記

散策

家族

『キリング・ストーキング』クギ その1

www.lezhin.com 読み終わったばかりで今はぼーーっとなっている状態です。 私が読んだのは紙媒体のほうではなくネットで公開された全編です。 感受性の強い若かりし頃は感動することが溢れていたのですが年を経てから神経は鈍くなりどんな作品を観ても読んで…

「100分de萩尾望都」その2『半神』『イグアナの娘』

続きです。 前回に続きヤマザキマリ氏が語る『半神』と『イグアナの娘』どちらも深い考察で納得でした。 『半神』はリアルタイムで読んで衝撃を受けただけでなく野田秀樹の舞台も観たという私としては珍しい体験をしています。 初めて観た夢の遊眠社の舞台に…

「100分de萩尾望都」その1『トーマの心臓』

録画やっと鑑賞しました。 内容知らなかったので昨日ツイッターで「萩尾望都といえば『ポーの一族』『トーマの心臓』だろうけど私は『バルバラ異界』が最高傑作だと思います」と書いたのですが、ちゃんと番組内で取り上げられていましたね。 中条省平さんあ…

『ヘレディタリー/継承』アリ・アスター

『ミッドサマー』を先に観てからの鑑賞になりました。 これを観て期待しての『ミッドサマー』はかなり凄い心境になりそうですね。 本作は観る者が試される作品でもあるのでしょう。 ホラー映画としては特に目新しいわけではない、という感想も予想できてしま…

『さまよう刃』イ・ジョンホ

愛する娘をレイプされ殺害された父親の復讐劇という韓国映画なら絶対に見ごたえあるだろう予感通りにやはり凄い作品でした。 上にある画像は鑑賞後に見たので原作が東野圭吾で日本版映画が先にあるのは知りませんでした。しかし日本版映画には辛辣な批評が並…

ほんとうに『息もできない』ヤン・イクチュン

またまたとんでもない韓国映画観てしまった。 これは凄いとしか言いようがないでしょう。他の方のレビューもとても高いのが多いですが当然だと思います。これが評価されているというのも素晴らしいことです。 監督・脚本・主演のヤン・イクチュン。インディ…

『時間回廊の殺人』イム・デウン

私がこれまで観てきた韓国映画と違った風味で面白かったです。ぎり11月に観たのも良いタイミングでした。 以下ネタバレですのでご注意を。 ちょっとだけ言いたいのは神父様が若くて美男子すぎるのではないでしょうかw さすが美男の国の韓国映画、とはいえ…

『光州5・18』キム・ジフン

実際に起きた悲劇のクーデターを描いた作品と比較してしまうのは申し訳ないのですがこの映画に見合う日本映画は『シン・ゴジラ』ではないかと思いました。 というのは映画自体の品質は良くないのでそれぞれにとっての外国での評価は低いけれど本国では国民的…

『タクシー運転手 約束は海を越えて』チャン・フン

韓国俳優さんはみんな背が高いなー。ソン・ガンホも大きいけど若いやつさらに高いとは。 韓国映画スイッチが入ったのでイ・ジュニク作品終わったけど続けて観ることに。 こちらはソン・ガンホつながりというべきかもですが冒頭でピーターと英語で話していた…

『王の男』イ・ジュニク

イ・ジュニク監督作品鑑賞シリーズ。これは当時買ったDVDでの鑑賞です。 私はこの映画があまりにも好きで聞けも読みもできない韓国語豪華版セットまで買ってしまいました。 そして何度も何度も観てきました。今回はしばらくぶりの鑑賞になりましたが物語は全…

ぼーずチャン・グンソクがかわいい『楽しき人生』イ・ジュニク

イ・ジュニク監督作品鑑賞週刊、初鑑賞は最後になります。これ以降はもう再鑑賞となるか新しい日本版が出るか、韓国語版を観るか、ですね。 ふつうなら本作鑑賞の目的はチャン・グンソクでしょう。有名になった『美男ですね』より数年前の彼なので初々しく素…

『王の運命-歴史を変えた八日間-』イ・ジュニク

安富歩教授に感想を聞きたい映画でした。親が子与える歪んだ教育と愛情は残酷な状況を生み出してしまうのです。 そしていつもながら邦題『王の運命』は間違っているわけです。これは王だけではなくすべての親子の物語であると思います。 原題は『사도(思悼…

『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ その2

あまりにおもしろくてずっと解析していくこともないと思うのですが、一番感動したのは息子君が(貧乏のほうでも金持ちのほうでも)父親を凄く慕っていて尊敬しているということですね。 しかしその尊敬と愛情は父親が息子君を大事にして愛しているからこそな…

『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ

噂にたがわずとんでもない面白さでした。堪能しました。 ネタバレしますのでご注意を。 観終わったばかりで何も整理できてはいませんがとにかく面白かったです。 人情もの的な映画なのかと思っていたらむしろ昔懐かしいコンゲームを思わせる流れになっていて…

『ファーストマン』ディミアン・チャゼル

この映画の記事はもう書いたんだろうか。覚えていないのですがもう一度観るのは辛いので再度書くこともないと思っていました。 先日「父と娘の物語」に良いものはあるだろうかと考えていてまず思いついたのがこの映画でもう一度観なおしたくなったのでした。…

『親という名の暴力』小石川真実 その2

本著の書き手・小石川氏が生まれてすぐから母親そして父親からも精神を病んでしまうほどの抑圧を受け続け、成人してその異常性を非難し続けても彼らの考えをまったくかえることができず自らもその抑圧から逃れることができなかったことは恐ろしいとしか言え…

『親という名の暴力』小石川真実

両親から精神的抑圧を受け続けるとどういう人格になりどういう人生を歩むことになるのか、ということを教えてくれる一冊でした。 タイトルの「暴力」は肉体的性的なものではなく精神的暴力なのですが精神的暴力というのは子供にも周囲の人にもわかりにくく、…

『マイ・チャイルド・レーベンスボルン 』

戦後のノルウェーで、ドイツ兵との混血児を養子として育てるゲーム『my child lebensborn』。自分の子供が売国奴として学校で虐められ、周囲の住人にさえ差別され、何もかも辛すぎるゲーム。だが何より辛いのは、これが本当にあった歴史ということ。一人でも…

『POSE』Netflix

以前といってもかなり昔になってしまいましたけど、いわゆるLGBT系の映画小説マンガなどに浸りこんでいました。その頃はLGBTと言う言葉はなかったしBLという言葉すらありませんでした。 物語は主人公の目覚めから自分を認めてくれない世間や家族との葛藤差別…

『ザ・クラウン シーズン3』

第6話「ウェールズ公」も好きな一話でした。 エリザベスの長男であるチャールズがイングランドの一地域ウェールズの大公となる前に3か月その地に滞在し勉強をする話です。 ウェールズはイングランドに支配された地域です。言語も違えば習慣も違うこの地域…

『魂の殺人』アリス・ミラー

『一月万冊』で安冨歩教授と清水有高氏の対話でアリス・ミラー著『魂の殺人』を知りました。YouTubeで両氏はこの本について何度となく触れておられます。 思うに最も恐ろしいことは自分の親が恐怖の存在であることです。絶対に抵抗のできない子供時代そして…

『幸福路のチー』宋欣穎

実をいうと本作中身を見るまでは期待していませんでした。日本やアメリカ・フランスのアニメを見なれてしまった目には本作のポスターとなるイラストがあまりに稚拙に映ったのです。 同じように感じた方はその偏見を捨てて内容を観てください。きっと目にはま…

『虐待の証明/ミス・ペク』イ・ジウォン

子供を酷い目にあわせる映画はどんなホラーよりも怖ろしくて観るのが耐えがたい。この映画も何度も観るのを止めようとしたのですが「自分は観ているだけなのに逃げちゃいけない」と言い聞かせてどうにか見通しました。 韓国映画は久しぶり(と言うほどでもな…

『アシュラ』さとうけいいち

ジョージ秋山原作のアニメ化作品です。 当時は無論今になっても原作マンガをきっちり読み込むことができない小心者の私なのです。チラリちらりと見て恐ろしくて逃げてしまいました。部屋の中にはあるのですが。 その原作『アシュラ』を良しとされた方のレビ…

東大教授と語る【安倍首相辞意表明】歴代最長内閣総理大臣安倍晋三の政治的ルーツ

東大教授と語る【安倍首相辞意表明】歴代最長内閣総理大臣安倍晋三の政治的ルーツとこれからの日本。愛に飢えた少年は愛に飢えた最高権力者になった。安冨歩教授電話出演。一月万冊清水有高。 『一月万冊』清水有高さんと安冨歩教授の「安倍晋三」を語り合う…

『呪怨』清水崇

『呪怨』観始めました。まったくの初鑑賞です。 ホラームービーはほとんど観ることがありません。脅かされるのが嫌だからですが宮台真司さんがお勧めされているのを知ってどうにも気になってしまったのでした。 1・2と観て来て確かにとても面白いです。 そ…

『王妃マルゴ』萩尾望都 再再再読

時折ちょこちょこ読み返してはいるのですが今回結構読んでしまって「やっぱりすごい」と唸ってしまったので感想を書いてみることにします。 ネタバレしますのでご注意を。 全8巻ですが、物凄く濃密な内容です。一般的なマンガ作品なら50巻以上は軽くいってし…

The Shaggs 最高で最悪のバンド・・・でもすばらしい【The Dave Fromm Show 陰謀コーナー ベスト・セレクション】

理論を超えた最高で最悪のバンド!? Shaggs【The Dave Fromm Show 陰謀コーナー ベスト・セレクション】 昨日デイブ&アリもう出てこないみたい、と書いたのですが案外ぽろっと出てきました。 しかもかなり深いヤツです。 タイトルが「理論を超えた最高で最…

『サイン』M・ナイト・シャマラン

シャマラン監督作品はとにかく不思議です。インド系だから、という短絡的な理由づけはできないでしょう。インド映画で同じような作品があるとはまだ聞いたことがないのですし。 以下ネタバレになりますのでご注意を。 本作、最初チラ見した時はなんだかよく…

『ロバと王女』ジャック・ドゥミと「星の素白き花束の・・・」山岸凉子

邦題が珍しくシンプルですが実際は『Peau d'âne』でそのまま『ロバの皮』なのでこれでもやっぱりちょっと違う感は否めないのです。『ロバと王女』ではロバと王女になにかが起きてしまうようですが王女がロバの皮を被って行動する話なのでむしろ 『王女はロバ…